seish さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 2.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アーチャーとバーサーカーのかっこよさ
かなり辛口です。
HFの余韻に浸りたい方は読まない方が絶対に良いです。
まず第一に、これはもう仕方のないことだと思いますが、展開が早すぎます。尺が圧倒的に足りていません。
元々Heaven's Feelの途方もない長さを三部作に収められるのかという点は不安要素でしたが、的中しました。一章の時点では良かったのですが、今回の尺の足りなさは異常です。恐らく二章で話をスキップできるだけスキップして、三章を超盛り上げるつもりなのでしょうね。
加えて、余分なシーンが多すぎると思います。そっちを入れてこっちを入れないか、という風に思ったことが多々ありました。例えば無駄に冗長な桜の魔力摂取シーン。R18版通りに士郎と夜を共にさせたことは良いとしても、あそこに注ぎ込んだ長い尺を、「俺は桜の味方になる」のシーンの前、イリヤとの問答のシーンの為に使えなかったのでしょうか。
士郎が正義の味方をやめるという選択をする為の第一歩のシーンだし、個人的にめちゃくちゃ好きだし、恐らくHF好きで嫌いな人はいないぐらいの名シーンだと思いますし。それを抜いてしまったのはものすごく不満でした。
あと音楽。なんですかねあれ。音楽の質はいいとしても、使う場面ですよ。HFってものすごく「静けさ」とか「淫靡さ」とか「閉塞感」とか、そういうネガティヴなものに満ち溢れてるから良いのに、よりによってその淫靡さの真骨頂とも言える魔力供給シーンであんな荘厳な音楽流しますかね。空気読めないとしか思えません。
原作では地の文で表現されていた感情表現とか、とにかくHFの映像化のしづらさを痛感しましたね。
とはいえ、良い点もありました。映像は相変わらず良かったです。力を入れるべきところにきちんと力が入っていました。
声優さんの演技もかなり良かったです。特に慎二。流石神谷さんと言いたいですし、慎二の描写もかなり真に迫ったもので良かったと思います。
これは関係ない話ですし、作品の評価には織り込んでいませんが、いくら慎二が派生作品でギャグ担当として扱われているとはいえ、劇場で、慎二が出てくるシーンでいちいち笑う人がいるのは不愉快でしたね。なんだか慎二というキャラそのものが笑われている気がしました。
藤ねえの描写も非常に良かったです。切嗣と士郎と桜の三人を良く知る唯一の存在として良く描かれていました。
桜の影の「ごうごう」のシーンは、良い改変かどうかはさておき、なかなか責めた、衝撃的なものだったとは思います。かなりびっくりしました。
Aimerさんも良かったです。
あとは、タイトルで述べた通りバーサーカーとアーチャーですね。
素晴らしいです。本当に。
もう本当にカッコいいです。元々私が好きなサーヴァントがこの二騎というのもありますが、それを差し引いても作者の強い愛が感じられる描写でした。
イリヤの想いに応えるバーサーカー。サーヴァント特攻と言ってもいい影の縛りを腕力だけで解く場面には打ち震えました。
凛を守ろうとするアーチャー。ローアイアスの場面では思わず涙が出ました。
SNを代表する漢の中の漢、本当にカッコよかったです。ufotable様、ありがとうございます。
こんなところでしょうか。尺が足りていないとは言いましたが、ここで消費した分、三章で思いっきり最後の激アツパートを描いてくれるなら良いです。
最後の予告編の聖骸布を解いた腕士郎、めちゃくちゃカッコ良かったです。トゥルーがいいなぁ……士郎と言峰の殴り合い見たいなぁ……ユスティーツァと臓硯の会話も見たいし、なにより「桜を見に行こう」が成就してほしい……まあ二章の話の流れからして恐らくトゥルーだとは思うんですけどね。
なにはともあれ、楽しませていただきました。ufotable様、改めましてありがとうございます。豪華パンフレット買いました。