gallery+ さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
足りないのは「尺」だけ
原作は後世に残すべき名作中の名作。そのアニメ化ということで期待していたが、実に惜しい出来だった。
キャスティングは最高。演技も最高。蒼月潮の畠中祐は想像以上に好演。とらの小山力也も実に合っていた。ちょい役からラスボスのあの人に至るまで、この声優がこの役をやるかとワクワクした。まさかあの妖怪を田中真弓さんがやるとは(笑)。
アクションも最高。さすがはMAPPA。音楽も良い。脚本が井上敏樹と聞いて(かなり)不安になったのだが、話がギッシリ詰められていたので粗が気にならなかった。
結局のところ、問題なのは「尺」。どうして4クール48話から52話かけてやらなかったのだろうか。39話という中途半端な話数なので、原作からカットされたエピソード多数。シュムナの話がカットされてるのでラスボスの尾の一本の意味がない。それから凶羅のエピソードカットは実に勿体無い。あと、個人的にはサトリのエピソードはOVAでもいいからやってもらいたいところ。
重要な部分はキッチリ抑えているとはいいながら、やはり尺が足りないためかセリフや動きを詰め込み過ぎてバタバタになった箇所もあった。感動のエピソードの余韻を味わう間もなく話が続いてしまったり。あとラストは尋常じゃなく盛り上がるので、もっと話数を使ってやってもらいたかった。
それもこれも「尺」不足だからで、少なくとも4クール取れれば、アニメの出来そのものは素晴らしいだけに、原作ファンも納得できるものになったはず。それこそ全エピソードをこのクオリティでやり切ったならば、原作漫画と並んで後世に残すべきアニメになったかもしれないだけに、実に残念でならない。