退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
何が自由のアメリカだ!
「何が自由の国アメリカだ!」というセリフが印象に残った。
金と権力がモノを言うニューヨークの裏の世界。
平気で銃の引き金が引かれ、さっきまで隣にいた人間が
死体に変わる世界。
ストリートギャングのボスであるアッシュ・リンクスを取材に来た
記者のお供としてきた奥村英二。
英二は純粋な興味からアッシュの持つ銃に惹かれ、握らせてもらう。
アッシュの仲間たちからすれば驚きだった。
ボスが他人のしかもわけのわからないジャパニーズに
大事な銃を触らせたと。
英二は、アッシュ、彼の飼い主であるマフィアのボス ゴルティネ、
アッシュを目の仇にしているオーサーや中国人マフィアたちとの
権力闘争に巻き込まれていく。
アッシュはIQ200で容姿端麗で、格闘も銃の腕も一級品で非の打ちどころがない。しかし、大きなプレッシャと過去のトラウマを抱えて生きている。
一方、英二は銃社会ではない平和な日本から来た。
彼はこれと言った特技はなく、アッシュを助けたのは
棒高跳びで塀を飛び越え助けに行ったあの一回くらいだ。
アッシュはなぜ英二に固執したのか。
合理的な損得、単なる快感、感情、恐怖を超えた
何か違うものを期待したからではないか。
アッシュをまっさらな目で見たのは英二が初めてだったのかもしれない。
有能なボスでもなく、男娼でもなく、ライバルでもなく、
ただの同世代の男の子として見たのは。
本当は、たったそれだけのことなのかもしれない。
ラスト、アッシュは打たれたにもかかわらず、
英二の手紙を読んで静かに微笑んでいる。
彼にとって一番大事なことは、ゴルティネから解放されることでも
ボスになることでも、生き残ることでもなかったのかもしれない。