8bit さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
丁寧な背景、色というテーマに惹かれるものの魔法の設定は…
色を失った少女が過去へ行き様々な体験をする物語。
非常に丁寧に描かれた背景が印象に残ります。
色をテーマとした作品なのでココが光ると説得力がより増します。
明確に「君の名は」を意識して作られていますね。とても良いです。
その他の作画は可もなく不可もなくといった所。いつものPA作品。
色を失った主人公が色を取り戻す瞬間の描写はハっとさせられました。
現実では描けないアニメならではの魅せ方は良いですね。
しかしこの色に関してはどうしても気になる点が…
デジタル機器が大きく関わってきますがアナログじゃダメだったのかなぁと。
今風に脚本を書いたらこうなったって感じなのでしょうか?
魔法がある世界なので一応腑には落ちますが、0と1の信号の集合体にその意味を持たせるのは説得力としてはイマイチかなぁと。
そこはアナログであって欲しかったと個人的には猛烈に思います。
(デジタルとアナログの違いを分かっていればこのテーマでデジタルを選択するのはまぁまず無いです。)
もう一つのテーマ「魔法」に関しては練りきれていない印象を受けました。
日常生活を少しだけ彩る小さな存在、序盤はあえて魔法を多く描かない事により現実の世界とそう変わらない世界を見せていたのですが
{netabare}
時間魔法の有識者は出してはダメなのでは…
過去や未来に干渉する魔法ってタブー中のタブーだと思うんですけどね。
時間魔法はここだけの秘密って設定なら理解出来たのですが、公にそれを扱える人がいるとこの世界は成り立たないでしょう。
世界の理を壊さない程度の地味な立ち位置、このラインを超えた瞬間に「魔法モノとしては面白くないな」と思いました。
絵に入る魔法とかも同理由で無理があるかと。
夢があって良いんですけどね。
{/netabare}
地味な立ち位置のまま終わらせれば良かったのになぁと思います。
全体を通してみればキャラクターが多い割にあまり立ってないとか、その魔法の扱い方はどうなんだ?といったような突っ込み所はありますが丁寧に描く事に注力したというのは伝わってきます。
主に画の部分で。
意思が伝わってくる作品は好きです。
PA社の作品はこの点ではブレないですね。
面白いかどうかはまた別問題(視聴する人の受け取り方による)ですけど。