剣道部 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ほら、世界はこんなにも美しい
[文量→大盛り・内容→考察系]
【総括】
1つお願いしたいのは、最終回までちゃんと観てほしいアニメだということです。途中、もし退屈に感じても、乗り越えれば素敵な魔法が待っています♪
基本的には恋愛がメインのローファンタジーで、作風的には同じくP.A.WORKSの「凪のあすから」に近いと思います。
作画はかなりヤバイレベルで良いです。特に背景は、これまでのP.A.とも少し違い、写実的な良さが光ります。エフェクトなんかもたくさん使い、実験的な印象。
いや、ホントにね、作画を観るだけでも☆3くらいの価値はあるんですよ。つまり、私の評価☆3は、、、ねぇ(苦笑)
このアニメ、きっとP.A.じゃなけりゃ、もっと叩かれずに済むんだろうな、と思いました(汗)
つまり、期待度の高さゆえですね、私もやや叩きますが、P.A.WORKSは大好きで特別な制作会社ですから、愛ゆえにですm(__)m
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
最終回は、文句なしに感動しました。絵本の伏線とか、久々にアニメでゾワッとしました。
他も、祖父が古本屋さん?とか、魔法写真美術部の子孫?が友達になるだとか、唯翔の墓?(瞳美が先に進むには必要)だとか、細かい伏線回収も、遊び心を持ちながら綺麗にまとめていたと思います。
瞳美は、母親とみた花火の色を最後にするために、自らに無意識の魔法をかけたのでしょう。「幸せの真空パック」というか。自分の幸せを感じる心に蓋をしてしまったために、新たな幸せを心に入れることができなかった。そこに、「ほら、世界はこんなにも美しいんだよ」と、様々な方向から伝えてくれた、魔法写真美術部の面々。「母親との想い出」以外にも、世界には幸せが溢れていることに気付いた瞳美は、自らの心を解放し、世界は色を取り戻し、前に進んでいく。
このアニメは多分、劇場版で制作した方が良かったと思います。テレビだと、やはり序盤~中盤のスローテンポで地味な展開で離脱した人もいたでしょうし(私も2回寝落ちしました)。そもそも、作画は現時点で充分に劇場版クオリティですし(笑)
では、なぜこの作品に☆4をつけられなかったかというと、(作風的に、ラストを際立たせる為には仕方ない部分もありますが)あまりにも序盤~中盤が地味で退屈だったことと、「制作の迷い」というか、「一体感の無さ」を感じたから。
作品を観ていて疑問に思ったのは、制作が
「人(物語)を魅せたい」のか、「風景(世界)を魅せたい」のか
という点。本作はその辺が、イマイチ固まっていないように感じました。
まず見せたい物語があって、それに絵をつけたというより、まず見せたい絵があって、それに物語をつけたような、、、いや、見せたい物語の合間に、見せつけたい絵をぶちこんでいるような感じを受けました。
もしかしたら、「瞳美に気付いてほしい美しい世界」を表現したかったのかもしれませんが、物語の途中途中で、ストーリー上、特に必要とも思えない風景やモノのインサートが多過ぎて、もともと遅いテンポが更に遅く感じたした。しかもその絵のクオリティがやたら高いだけに、「え? 自慢?」というか、なんか「絵を見せたいだけじゃね?」と思ってしまいました。
同じような演出は「SSSS.GRIDMAN」でも多く見られたけど、あっちは、元々のテンポが早い作品だけに良い感じの箸休めになってたし、「昭和からの普遍性」「漂ううすら怖さ」を上手く表現できてたと思うんですよね。まあこの辺は、「私はそう感じた」ってだけだと思いますが。
あと1つ思ったことは、「アニメの絵(背景)は、リアルならリアルなだけ良いわけではない」ってことですね。
本作はローファンタジーですが、「魔法」という一点以外は、とことんリアルを追求した作品だと思います。風景とか、人の反応とか。ただ、人物だけはどうしてもアニメ絵なので、なんか背景から浮いているように感じました。
例えば、ジブリの絵なんかは、全くリアルではないけど、「綺麗」だと感じます。そもそも、リアルであるほど良いなら、実写を観れば良いわけで。
実写とは違うけれど、実写以上に美しい世界。
私はそれをアニメに求めているんだな~と再認識しました。そして、P.A.WORKSはそれを作れる制作会社だと思っています(そんじょそこらの制作会社のアニメに、こんな批評は書きませんよ)。
とまあ、色々文句はつけましたし、ぶっちゃけ10話まではもっと酷評するつもりでしたが(笑)、ラストで逆転ホームランを打つあたりは、流石のP.A.WORKSといったところでしたね。
{/netabare}
【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
最終話は綺麗にまとめ、絵本の演出は素晴らしかった。母親との想い出を大切にするあまり、自らの心に蓋をしてしまった主人公に、「ほら、世界はこんなにも美しいんだよ」と教えてくれた魔法写真美術部との眩しい青春ストーリーは良かった。
一方で、無用なインサートで、元々遅いテンポを更に遅くしてしまうなど、序盤~中盤はあまりにも地味すぎる。
P.A.WORKSにはこれから、実写とは違うけれど、実写以上に美しい世界を作り続けて欲しい。
{/netabare}
【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
映像美を見せつけるような風景の連打。一番印象に残ったのは、石畳の質感。ただ、屋台の兄ちゃんまでイケメンにする必要あるか? かなりゆっくりなテンポ。一応世界観ややりたいことは分かった。主人公が友情やら恋愛やら家族愛を感じる中で色を取り戻していくわけね。これまでのPA以上にエフェクト使いまくっているし、なんかこう、実験的な作品のにおいがする。次回予告の風景は、人物が入らない方が良いな。
2話目 ☆3
サンドイッチマンw 魔法以外の要素は、とことんリアルに寄せるんだね。反応とか、風景とか。
3話目 ☆3
大胆な色使い(笑) 様々なラブの波動が(笑) 色覚のことが、ここでバレるかな?
4話目 ☆3
トラブルメーカーだね。物語が動き出しそう。喫茶店のメニューを使ったさりげない対比は上手い。何事に対してもポジティブな琥珀と、ネガティブな瞳。
5話目 ☆3
PAの恋愛は、こじらせがちw 買い出し中に寄り道とか、イケメンだな。「そんなんだから、テーブルの上を茶色にする」(笑)
6話目 ☆3
う~む。PAの作画力に期待するのは、こういうシャフトくさいノリじゃなくて、もっと普通の風景を普通以上に綺麗に描いてほしいんだよな。瞳は多分、無意識に自分に魔法をかけたんだろうね、色を失う魔法を。母親とみた花火の色を、最後にするために。
7話目 ☆3
キャンプ回。青春だな~。
8話目 ☆3
なんか、4話目くらいの展開だな(苦笑) 魔法に対する禁止事項とかないんかな。ガチで未来に帰りたくないってのは、良いよね。
9話目 ☆3
将が瞳に惚れる理由がな、希薄すぎるんだよな、一生懸命理由はつけているものの。顔か? 幼馴染ゆのあさぎより、ぶち抜けて好きなのか? 10万80円(笑) 下手すりゃ通報される、叫び(笑)
10話目 ☆3
あの二人、なんかあったのか?(笑) 自棄になってるあさぎちゃん、良いね(笑) 凪あすの家、出てきてない? なんだ、死別じゃないんだ。
11話目 ☆3
時間制限。ようやく物語に切迫感が。スマホ、あったじゃん(笑)
12話目 ☆4
しんどいとき、地味に効く、薬。って、本作では一番心に響いたな。玄孫はきついけど、曾孫には会えそうだけどな。花火の色が次第に色づくところは良かった。幸せね。
13話目 ☆5
胡桃先輩、良いよな。あさぎにとっては、本当に大切な友達だしな。スマホの演出は良いね。絵本の伏線も素晴らしい。きれいな最終回だった。
{/netabare}