明日は明日の風 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
名前など要らぬ、ただひたすらにゴブリンを狩る男の物語
原作未読。
1話で{netabare}ゴブリンに若い冒険者が凌辱され、ヒロインが失禁してしまうという、重い話になりそうだと思わせてしまう始まり方。しかも、主人公の姉もゴブリンに凌辱されていたという過去を持つという、世界観は重い。{/netabare}異世界系は軽めの話が主流になっている現在において、このような重い背景を持つ話はけっこう貴重かもしれません。
特徴的なのが登場人物に名前がつけられていないこと。主人公はゴブリンスレイヤーだし、ヒロインは女神官、牛飼娘、受付嬢である。それで通じるのだから、名前無くとも物語は成り立つのだなと思います。
敵となるゴブリン。同時期に放映していた転スラとは真逆の完全悪。雑魚モンスターの位置にいるのに、実は集団となると極悪非道のモンスターとなる世界。これをただひたすらに狩りまくるゴブリンスレイヤーはまさに「職人」として描かれていたように思います。ゴブリン以外には目もくれず、愛想もよくない、周りからは変わった人物と表され。ただし、ゴブリン専門家なだけに、ゴブリンの特性や行動などすべてお見通し。これがまた痛快でした。
それと、ヒロインたち、妖精弓手、紘人道士、蜥蜴僧侶など、ゴブリンスレイヤーが関わる人々に振り回されながらも、心が少しずつ開けていくところがこの物語のよかった点です。
最近の主流とはちょっと外れた異世界ものですが、かえって新鮮で、主流ものに飽きた方にお勧めします。