シャベール大佐 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
綺麗系の青春ファンタジーだけど、ややキャラが弱かったかも
時間魔法で60年前(2018年)に送られた内気な魔法使いの少女・月白瞳美が、そこで出会う仲間たちとの関わりの中で、少しずつ変化、成長していく姿を描く、P.A.WORKS制作の青春ファンタジー。全13話。
観てまず思うのは、絵がとても綺麗ということ。瞳美には、幼いころから色が見えなくなっているという設定があって、この作品では「色」が重要な位置をしめているのですが、映像的に非常に美しく表現できていました。また、舞台となる長崎の町自体も風景として絵になるので、視覚的な部分では申し分なかったです。
一方、内容に関しては、出発から着地までの大きな枠組みは、少々ベタだけれど悪くなかったと思うのですが、実際に観ていると、あまり物語に引き込まれませんでした。主人公の瞳美と、その相手役となる葵唯翔(あおいゆいと)は、別に嫌な人間ではないにしても、特に魅力があるとは思えず(強いて言えば外見?)、行動もなんだか煮え切らない感じで、積極的に応援したいとは思えなかったです。サブキャラでも、胡桃と千草あたりはいかにもアニメでありがちなタイプで感心せず、将とあさぎにはそれなりに人間味が感じられて悪くなかったですが、全体的にキャラが弱いという印象は拭えませんでした。せっかく綺麗系の青春物なのに、観ていてキャラに感情移入できないのでは、いちばんの売り物となるはずの切なさや甘酸っぱさを十分に味わえず、ちょっともったいなかったです。
声は、瞳美役は石原夏織で、個人的には元々とても好きな声質なのですが、こういったウジウジ型のキャラを演じると、声がかわいすぎて、「か弱さ」や「女子っぽさ」のようなものがやや過剰という感じで、役柄とあまり相性が良くなかったような気がしました。
最後まで観終わって、P.A.WORKSのオリジナルアニメに対する期待値からすると、やや物足りない作品でした。もう少しキャラに共感できるような描き方ができていれば、だいぶ印象は変わったかもしれません。