「バキ 最凶死刑囚編(Webアニメ)」

総合得点
67.9
感想・評価
158
棚に入れた
547
ランキング
2298
★★★★☆ 3.5 (158)
物語
3.5
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.3
キャラ
3.7

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

勢い任せの感はあるが

 原作は既読。
 本作は死刑囚編がメインで、前半は死刑囚5人と最大トーナメント出場者5人の集団抗争で
話が進んでいくが、途中からビスケット・オリバを始めとする割り込みキャラ多々のために、
当初のプロットは崩れ、後半は原作者が飽きたのか、やっつけみたいな展開で終わってしまった
感じ。

 格闘ものに限らず、SFやファンタジー、あるいはスポーツものなども含めて、ストーリー内に
戦いがある作品は強弱による基本的立ち位置があり、それが作品世界の基本設定だったりする。
 もちろんキャラの成長や弱体化、その時の状況や戦う者同士の相性などで、この力関係は
絶対的なものではないんだけど、バキ世界においては本作ぐらいから、この辺がかなり適当に
なってきている印象。とは言え、範馬 勇次郎がテッペンという部分だけは
変わっていないけどw。

 そんな感じで勢い任せでストーリー展開や設定などは破綻している感があり、他にも
ツッコミどころがいっぱい。
 個人的には、局面局面の盛り上がりである「点」より、ストーリーの流れである「線」を
重視するタチなので、本作は評価が低くなるはずなんだけど、その場その場の勢いがあまりにも
凄く、整合性など吹っ飛ばすような熱さがあり、更に原作が長期連載であることの強みも
あるのか、いい加減さも含めて味になっているような感じ。まあオリジナル作品でこれを
やったら相当叩かれそうだとは思うけど。

 設定と言えば、随所にさも事実からの引用されたかのような説明があり、これが独特の
面白さを醸し出しているが、リアルタイム視聴時には「この感覚は以前、似たものが?」と
いう思いがあった。ここでの他の方のレビューで「民明書房」の文字があり、一気に腑に
落ちた感があった。
 こういったはったり的逸話の面白さは目撃者の証言もそうだったりする。前者の引用が
書籍などのパロディ的感覚なら、後者はドキュメンター番組のそれって感じ。

 逸話と言えば、愚地 独歩の虎殺しが事実だと知って、皆が驚くシーンがあるが、登場
格闘キャラの大半がもっと凄いことをやってのけるような連中ばかりなので、
「今更、何を驚いているんだ?」と笑ってしまった。

 本作の前日譚に当たる、最大トーナメントでは主人公である範馬 刃牙とはまったく関係の
ないような試合も含めた全ての試合を描写しており、このトーナメントから刃牙の
チャンピオンロードというより、戦いに魅入られれた者たちの群像劇といった色合いが
強まっていった感があったが、本作では更にそれが顕著になった感じで、脇役たちがより
輝きだした反面、刃牙の影は薄くなっていった感じ。
 この辺は刃牙自体が死刑囚との戦いにそれほど関心がないという部分も大きいのだろうけど。

 戦い自体は幼年編はともかく、これまでは地下闘技場が中心であったため、極力自由度の高い
ルールであっても競技という色合いが強かったのに対して、本作では舞台が限定されないために
より実戦度が高まった感じ。
 元々バキ世界では、正々堂々などは甘いもので、勝つためには手段を選ばないことが良しと
されているが、それが余すことなく描かれていた感がある。
 ここでの戦いはもはや単なる殺し合いといった感じだが、それでも終わってみると、格闘家
キャラは誰も死んでおらず、「どれだけタフなんだよ」とツッコミたくなるような展開。

 戦い以外だと、刃牙と松本 梢江の関係はかなり進展して、本作ではついに肉体関係を持つに
至る。ここらへんの描写はテレビアニメにしてはかなり濃密な描写であったが、なんだろう?
こういう時もストイックな感があるのか、あまり色気が感じられなかった。
 この刃牙と梢江絡みでやたらと関わってくるのが父の勇次郎、なんだかんだ言いながら、
息子には甘いように見えてしまうところがおかしい。

2019/01/02
2021/12/30 加筆・修正

投稿 : 2021/12/30
閲覧 : 359
サンキュー:

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