とろろ418 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
色づく世界へもう一歩
枠組みだけを見ると名作感あるんですが、決定的に何かが足らない。
何かとは何だろう、たぶん論理なんですよね。
感情的なものが乗っかっているのは伝わってくるんですが、圧倒的に納得できるものが少ない。
まあタイムトラベルものの宿命とも言える問題もありますので、大方は目を瞑ってもいいのだろうけど、
その部分がこの物語の核となってしまっている以上、個人的には無視しにくいんですよね。
{netabare}最大は、この物語はなぜ始まってしまったのかという点。
琥珀は瞳美が過去で色を取り戻すことを知っていたのであれば、瞳美が色を失うことになるのを知っていて見過ごしたことになります。
タイムカプセル用意して、絵本与えて、最後には自分が取り戻させるからいい? もしそうならとんでもない外道です。周りも等しく。
増してや時間魔法って危険性を伴うものなんですよね。であれば最終手段であるべきでは。
運命に抗った結果、そこに辿り着いてしまったのであれば、そういう描写は絶対必要だと思います。
上記のことも踏まえた上で、明日についても。
過去、つまり色づく世界についてはプラス描写だけ、明日、未来についてはマイナス描写だけとどちらも両極端です。
この世界の未来には絶望が広がっているのでしょうか?
未来に存在する人、物、魔法、全てが瞳美の色を取り戻すことには一切役立たない。価値のないもの。そう言っているようにしか思えません。
未来で彼らが登場しなかったことも拍車をかけていますよね。全員死んだの?って。
琥珀の性格上、だったら世界ごと変えてやるとなるのでは?
{/netabare}
まあ総括すると、完全に作られた舞台で決められた役割を演じているように見えるということです。
本当にこの物語である必要があったのか。正直、疑問です。
過去へ行く以上は、過去に原因であり、鍵であるものが存在すべきだったのはないでしょうか。
ううむ。深く考えずに見るなら及第点。そうでないなら最後まで消化不良が拭えない作品と言えるでしょうか。