STONE さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ゾンビ、アイドル、佐賀の三題噺のような
事前情報がまったくなかったのでどんな内容なのか見当もつかなかったが、冒頭から主人公の
源 さくらがいきなり死んでしまうというショッキングな出だし。
この死に方が車に撥ねられるものだが、あまりにも唐突で、映画
「ファイナル・デスティネーション(Final Destination)」を思わせるもの。
以後はゾンビがアイドルになって、佐賀を救うという相当ぶっ飛んだ展開が進んでいくが、
このゾンビ、アイドル、佐賀といったミスマッチな印象のモチーフがいずれもおざなりに
なることなく、うまいこと融合する見事な構成。
かなり露骨な佐賀推しが目立つがおそらく作品コンセプト自体がそういった地域振興的な
ものなのだろうし、作品内設定に佐賀要素がうまく取り入れられているため、メタ的事情が
作品の足を引っ張るような感じはなかった。
展開的には序盤のかなりハチャメチャなものから、次第にまっとうなアイドルものに
シフトしていった印象で、アイドルグループとして形になっていく過程自体がドラマとして
よくできていたりする。
各メンバーの問題を描きつつ、終盤前に主人公の問題が出てくるところなどは
アイドルものとしては結構王道な構成の印象。
アイドルものとしての色合いが強くなるほどシリアス色を強まっていくが、それでも最後まで
ギャグ要素は忘れておらず、これがシリアスな設定をあまり重くしすぎないようにうまいこと
緩和していた感があった。
キャラも魅力的で、序盤は主役である源 さくら以外のフランシュシュのメンバーが自我が
ない分、巽 幸太郎の面白さで引っ張り、次第にフランシュシュのメンバーの魅力を
加味していくといった感じのなかなかうまい作り。
アイドルものとしての曲やダンスシーンも楽しめたが、序盤のゾンビだからこそ出来うる
ヘッドバンギングや口喧嘩がフリースタイルラップバトルになっていったりといったカオス的
ライヴもあれはあれで魅力があった。
こういったヘヴィメタルやラップを始め、いわゆるアイドルポップスの範疇ではない音楽も
多用されており、様々なジャンルの音楽が登場する面白さもあった。
完全に明らかにならなかった部分も多かったが、これは放り投げたのではなく、意図的に
残したんだろうな。
2018/12/30
2022/05/04 追記・修正