たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
かなり隔たった漂流者たち
バイオレンスオカルト漫画「ヘルシング」で知られる平野耕太原作の「fate/stay night」もとい。。いわゆる「転生もの」漫画である。
平野耕太は流石に眼力が鋭く、ライトノベルの登場人物的なヘタレや美少女が出てこないで、代わりに「狂った戦闘狂の侍」や「コテコテなBL好きのお姉さんが好きそうな美少年」や、「スケベで勝つためならなんでもする武将」が出てくるとても愉快な物語である。要するにヘルシングと同じく頭が狂っててキャラクターが濃い。
しかも、世界各国の歴史的偉人変人が一堂に会す中で、一番強いのは「狂信的なキリスト教徒」か、「玉砕精神の日本の武士道」かという本当に狂った理論で展開される。
正直絵は上手い方ではなく、デッサンやパースがところどころおかしい箇所が多いものの、永井豪の原作漫画のような迫力と凄みを感じる独特のデザインで知られている。
個人的には楳図かずおも入っていると思うが。。
まさに歴史オタクと喫茶店で喋って、激論を交わすような理論武装さながらの隙のない漫画である。
アニメの方は「進撃の巨人」同様に、漫画独特のキャラクターデザインをアニメ的に直すのに時間がかかりそうだが、なんとかそこは掻い潜って原作にほぼ忠実なデザインとなっている。漫画の雰囲気を壊すまいとするスタッフの心使いが垣間見れる良いアニメ化だと思う。原作者は「ヘルシング」のTVアニメ化の時にかなり辛口で罵った経緯があるので、かなり忖度したのだろう。それかもともと原作のファンだったのか。。。
最近のアニメは本当に原作尊重が多いです。