たまき さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
タイトルなし
このストーリーは、アカネが怪獣を作っていることが視聴者には早々にバラされます。そしてそれも話の半ばほどでグリッドマン同盟にも怪獣少女二代目アノシラスによって知らされます。
つまり、この時点でアカネとの戦いというのはこの物語における最大の対立軸にはなり得ないということなのでした。そして、見るからに怪しかったけどいい人そうでもあったアレクシス・ケリヴが最大の敵で、アカネを利用しているということでした。これについては、作品のラジオでアレクシス役の稲田徹さんが、「本当に悪い奴は外面は良いんだよ」と言っていたものに集約されています。本当にストーリーは無駄なものがなく、洗練されていました。
戦い自体も、新世紀中学生のそれぞれの力や、出力スケールを絞ることで複数の出撃が可能になるなど、重厚で面白みがありました。出力スケールが大きいと出撃できる人員が限られているというところに、戦略性を感じます。
キャラのビジュアルや設定も本当によく描かれています。女性キャラはメイン2人は太腿や胸など、とてもフェティシズムなこだわりを感じました。しかしそれ以外はというと、例えばぽっちゃり内海や、目つきが悪く、マスクでこちらもだらしない身体というヒロインと真っ向から反する容姿のはっすなど、残酷なほどリアルだなと感じます。だからこそ、六花やアカネが可愛く見えるようになっていますし、周囲からの評価も妥当なものになります。そして、キャラ設定も充実していますね。はっすはYouTuber、内海はウルトラシリーズオタク、六花はエッグベネディクトやシリアルを食べている(あくまで一見)意識の高さがあります。六花の場合はそれが周囲との差別化になるという効果もありますよね。
あとはこの作品の最大の味となるのは、やはりボイスドラマでしょう。はっすとなみこや六花ママなど、あまりスポットの当たらないキャラの魅力が存分に描かれており、シリアスな本編に対してとてもコメディタッチで面白いものでした。それなのに、ボイスドラマの11.11回で過去のストーリーをきっちり回収していますし、抜かりないなと感心せざるを得ませんでした。
この作品は様々な視点から物語が立体的に展開していくので、本当に考察も多様な解釈が生まれて面白いと思います。