退会済のユーザー さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.0
作画 : 3.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:途中で断念した
視聴前の不安が的中
正直このアニメ、PVを見たときから「雰囲気はいいけどストーリーが浅そう……」という懸念がありましたが、まあオリジナルアニメだしどう転ぶか分からないよな、とポジティブに考え、視聴を決めました。
結果はタイトルの通り。途中で見るのをやめてしまいましたが、他の方のレビューを見る限り間違いでもなかったようです。
この評価に至った理由は、主に脚本です。
以下、要点に分けて感想を。
あと、あくまでこれは途中まで見た上での感想ですので、最終回まで見た方とは認識にズレがあるかもしれません。
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◎設定の曖昧さ
普段僕は、設定の緻密さやリアリティなどはさほど重視しません。現実味のない設定やご都合主義な展開は、多少あった方がフィクションとして面白いと思うからです。
しかしこのアニメの場合は……設定が曖昧で掴みどころがない。
特に主人公の色覚障害(ここでのこの呼称が正しいかは微妙ですが)。彼女は何が原因であの状態になったのか、トリガーが明確に示されていないため、いまいち彼女の内面にのめり込めない。感情移入云々ではなく、把握しづらいんです。
魔法が当たり前に存在する、という中途半端にファンタジックな世界観のため、余計に。それどころかこの設定が、致命的にそれを悪化させているような気さえします。
◎雑な展開
上述のように僕はご都合展開はドンと来いなのですが、今回の場合は都合がいいとかではなくてただ雑。
そもそも人間ドラマを軸にしているはずなのに、その人間模様が全然リアルではない……というか、今までにもあった浅い青春恋愛ものと、“リアリティのなさ加減”がほとんど同じ。
前触れもなく急に地雷スイッチが入る絵描きくんを見た瞬間、「うわあ……またこのパターンかよ」とげんなりしました。
途中、異様に仲良しな男女混合グループという点などから、少女漫画『orange』を連想したのですが、あの作品は個々のキャラが立っていてバランスも比較的よく、かつストーリーの目指す方向も明確でした。普通に面白かったですし。
それに比べ本作は、一人一人のキャラが薄く話の本筋もなかなか見えず、どこまでもぼんやりとしている。褒めるところが一つもありません。
そもそも面白くない。
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これ以上細かく書くと長くなりすぎるので、この辺で。
ちなみに上に挙げた2点は、奇しくも僕が視聴前に懸念していたものでした。
結局、これ以上見続けても得られるものはないと思い、視聴をリタイアしました。
現時点では途中で脱落している状態なので、総評を出すことは避けます。ひょっとしたら続きを見ることがあるかもしれないので。そのときはまたここに追記します。
……あればの話ですが。
あと余談として──
作画がいいとよく言われていますが、あれは作画というより美術の良さ・画の綺麗さかと。
同じく「画が綺麗」と言われるもので、京アニや新海誠の作品が挙げられますが、あれらは全く別物です。
そもそも京アニはきちんと「作画」で魅せていますし、新海監督も独特な色彩表現や詩的なモノローグなどで、独自性を出しています。
作画自体は普通、作家性も見えない、ただ美術が綺麗なだけで、おまけにストーリーがペラペラとなれば、もはや雰囲気アニメ以外の何物でもない。
これは往年のP.A.WORKSにありがちで、名作「感」だけはやたらと出ていましたが……。