yuugetu さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
悪くは無かったけど色々惜しい
2018年秋アニメ。全12話。オリジナル。
全体的にはちょっと残念な部分が目立ちましたが、私は結構楽しみました。
物語が全体的に解りにくく、ちゃんと把握しきれなかったのが残念だったなあと。SF要素をもう少し噛み砕いて入れて欲しかった。戦争で荒れ果てた世界観をもう少しわかりやすく掘り下げてくれても良かったかも。
ストーリー自体は収まるべき所に収まったと思います。漫画家の安倍吉俊さんがキャラクター原案・世界観設定・脚本の一部を担当していて、ちょっと独特な雰囲気も私は好きでした。
小説版があるので読みたいと思っている所です。
作画はかなり大変そうでしたね。シンプルなキャラクターデザインは好み。コンテ・演出がちょっと弱くて残念だったかな。
キャラクター描写も安定というか、見た目も内面も良くも悪くもシンプルなキャラクター造形。主人公がコールドスリープから目覚めてから同行者が集まっていきますが、お互いに全てを打ち明け合う間柄ではなかったため、ドラマチックな展開になりにくくて勿体なかったかもしれません。
ですがそういったドライな雰囲気はお互いの人生を尊重しているから生まれるものとも感じられ、個人的には納得しやすい描写でした。
キャラクターに関しては声優さんに助けられた部分も随分あったと思います。デリダ役の小野賢章さん、ヴィドー役の佐々木啓夫さん、アンジュの石川由依さんが好き。
{netabare}
小林ゆうさんのアンゼリカの演技は特に良かったです。
第10話「手放したもの」はなかなかヘビーで印象的な回でした。アンゼリカが向き合っている者は誰なのか。自分は何者なのか。こういう題材は好きですね。
近頃は技術的特異点とか2045年問題とかが取り沙汰され、アニメでもそれを題材にする作品が増えています。しかし本作では感情・人格といったものは人間しか持ち得ないものとされました。
{/netabare}
そういった部分も含め漫画や小説の方が活かせる部分が多い作品かも知れませんが、私はまあまあ楽しめました。(2018.12.24)