Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
キャッチコピーは「闘うヘンタイ家政婦 VS ロシア系小学生のほっこりしない系?ホームコメディ」
この作品の原作は未読です。
正直タイトルを最初に見た時、作品に対するイメージはあまり良くありませんでした。
折角来てくれているメイドにウザいだなんて…レムりんファンが見たら背中をグサッと刺されちゃうんじゃないの!?
は、流石に言い過ぎかもですが、その頃、この作品のキャッチコピーも知らなかったので、尽くしてくれる人に対して「ウザい」という感情はあんまりだよね、という気持ちがあったのは事実です。
でもキャラデザを見た時、私が勝手に想像していた作品のイメージとはかけ離れていたので、「あれこれ考える前に視聴して良し悪しを判断しよう」と思い視聴に至りました。
でもそれだけじゃありません。
主人公であるロシア系美少女のミーシャ役に白石晴香さん、闘う変態家政婦の鴨居 つばめ役に沼倉さん、ミーシャの数少ない友達であるわしわし役にさーやこと原田彩楓さん、何かにつけてミーシャに勝負を吹っ掛ける森川ゆい役にしーちゃん、鴨居の元上官である鵜飼 みどり役にM・A・Oさん…
この布陣を見た時、既に視聴の気持ちはだいぶ昂っていましたけれど…
こうして視聴に踏み切った訳ですが、視聴前に抱いていた妙な印象は全くの稀有であることが直ぐに分かりました。
まず、ロシア系小学生のミーシャ…彼女の可愛らしさの魅せ方をとことん追求する作り手の気合は正直半端ありませんでした。
私はリアルでは幼女に全く興味はありません。
ですが、ミーシャの可愛らしさはそんな鋼の心をあっさり凌駕するレベルなんです。
そう…イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが登場するスピンオフの方…そして「まったく、小学生は最高だぜ!!」の名台詞を生み出したあのスポコン(?)作品を見た時に覚えた衝撃が再現されるかのような感覚…
この時点で、きっと私はこの作品の罠に嵌ったんだと思います。
一度足を踏み入れたら二度と戻る事の出来ない蟻地獄のような…
流石にそこまでは言い過ぎか…この作品のミーシャはもっと子供らしさが前面に押し出されていますから…
でも、子供らしさ故に最終奥義とも位置付けられる素のままの喜怒哀楽…
今回私が「してやられた」のは、恐らくこの1点に尽きるでしょう。
自衛官を辞めて職探しをしていた鴨居の目に留まった「家政婦さん急募!」の文字…
そしてその家は、以前鴨居のハートを打ち抜いたミーシャの家でもあったんです。
ですが、家政婦に対してミーシャの当たりは厳しく、まるで家族以外の侵入を拒んでいるかのよう…
実際にミーシャの家の前に「家政婦さん急募!」のチラシが貼られるまでは紆余曲折ありましたから…
それでも生きているなら前を向いて進み続けなきゃいけない。
だって、それが生きている証なのだから。
きっとミーシャは聡明な子ですから全部分かっています。
分かっていても心じゃうまく折り合いが付けられない事だってあるんです。
ましてや小学生の子供に「うまく折り合いを付けろ」と非情な物言いをする親もいないでしょう。
だからミーシャにとってこれが転機になれば…きっとお父さんはそう思っていたに違いありません。
こうして鴨居を家政婦として迎い入れ…物語が動いていきます。
鴨居が家政婦になってからミーシャの状況が色々と変わりました。
ミーシャは事あるごとに鴨居を「ウザい」といっていますが、表現は別にして鴨居の分別ある大人の行動には激しく同意です。
だって、結果的に全てミーシャの良くなる方向に物事が動いているのですから…
学校で友達と遊ぶ…小学生ならごく当たり前のことすら、これまでミーシャは切り捨ててきたのです。
勿論、本来あるべき姿に修復するのは並大抵のことではありません。
それでも…今では友達もできて楽しそうに登校しているじゃありませんか。
鴨居は白鳥みたい…
常に笑顔を絶やさず冷静沈着に物事を対処する…まるで湖を優雅に泳ぐ白鳥のよう…
でも、水面下で白鳥が常に一生懸命であるように、鴨居もまたあらゆるリスクを想定し、対処するための下準備を欠かしません。
そんな鴨居の隣…ミーシャは随分居心地の良い場所を見つけたモノです。
こんな感じでバタバタと物語が進んでいったので、このまま終幕を迎えるとばかり思っていました。
でも最終回、自分の過ちに…そして鴨居の背負ってきた心の痛みを知って、ミーシャの頬を伝う大粒の涙と悲痛な叫び声に、私はまさかのノックアウト…
ミーシャって聡明だけじゃない…人の痛みが分かる優しい子だったんですね。
こんなミーシャと鴨居の掛け合いの物語…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは「ウザウザ☆わおーっす!」
エンディングテーマは「ときめき☆くらいまっくす」
どちらもミーシャと鴨居が歌っています。
甲乙付け難いですが、個人的にはエンディングの中毒性が好みでした。
1クール全12話の物語でした。
この作品も安定の面白さだったと思います。
敢えて残念な点を挙げるなら長縄さんの配役かな…できればクマゴローの鳴き声では無く、台詞のあるキャラで参加して欲しかった…ですけど、こっればっかりは仕方ありませんよね。
しっかり堪能させて頂きました。