ツークツワンク さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
どっちつかずの器用貧乏な作品
ギャグや掛け合いも面白いし、絵が綺麗なので見ていて楽しいには楽しいのだが不思議と先が気にならなかった。
ただ歌いたいという漠然とした動機から、最終目的は文化祭での公演であり、動機も目的も薄っぺらい。
お決まりの理事長が文化祭を中止に追い込むという展開も雑過ぎて嫌いだ。
夢があって全力で頑張ろうとするバドミントンの大智、乗馬の紗羽。
過去を乗り越えて音楽への情熱を取り戻した和奏。
それらに比べて、動機の都合上、来夏とウィーンは遊び気分が見られるためアンバランスさが目立つ。
ここらへん、ウィーンにスーツアクターや演劇目指したりするなど目的が欲しかったかもしれない。
遊び気分の来夏を物語の主導にしないで、トラブルメーカー的役割のサブポジションに抑えて置くべきだった。
間違っても一番おちゃらけている来夏に「遊びでやっているんじゃない」などと言われたくないだろう。
個々のエピソードは良かったが、それらを一つにまとめるメインの導線と噛みあっていない。
大人や過去のトラウマとの対立などシリアス要素を入れている割にはそれらを解決した後の成長や人間関係の変化を実感出来ないのだ。
ゆるい部活なら部活でシリアス要素を入れないで、けいおん路線で進めていれば良かった。
ガチで頑張るならもう少し真剣さやしっかりした大きな目的が欲しい。
人生賭けてガチでやっている声楽部の発言に共感してしまうし、見ていてイライラするのも当然である。
あらゆる要素が中途半端で、突き抜けている部分が無いため、毒にも薬にもならぬ作品になってしまった。