たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
我々は「個人」である。
社会人になると求められるのが、「システム」に埋め込まれることである。
定時に出社し、働いて給料をもらい、流行っているからといって、買いたいのかわからないものを買い、なんとなくの空気によって縛られている。
しかし、我々は人間であり、何よりも「個人」である。
「個人」というものは厄介なことに、全ての人間が皆平等ではなく、「人それぞれは自分とは違うこと」を受け入れることである。
朝が弱い人間もいれば、たくさん恋愛する人間もいて、絵が下手な人もいれば、運動ならばなんでもできる人もいる。
思想、信条も違ければ。。経験もまた違ってくるだろう。
そういった個々の「個性」が世の中であり複雑な社会そのものの象徴かもしれないが、そういう多様な社会だからこそ数々の芸術が生まれるだけでなく、人一人ひとりに「ドラマ」があるのである。
「のだめカンタービレ」は当時、音大や美大生が読む漫画としてはダントツの1位だった。
大学生という中途半端な時代には「大人」のようなシステムに埋め込まれているだけでもなく、かと言って自分の「個性」が社会で認められるのかもわからない。
しかし「仲間」は存在するのである。
今後の日本はますます人の人生は多様化、複雑化していって、同じ日本人でもちょっとやそっとじゃ相手を理解できない時代になるだろう。
しかし、どんなに「個性」塊のような人間でも、「人間」であって、互いにコミュニケーションをとろうとする努力が大切なのである。
「のだめ」はそういう意味での現代のコミュニケーションドラマなのだ。
しかし、今街を出て人々の顔を見るとどうだろう。。
果たしてコミュニケーションをしようとする人たちはどれだけのものなのだろうか。。。