藤浪サトル さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
京アニにしては凡作
潰れかけの遊園地を再建するという、アニメでは珍しいテーマの作品である。遊園地が舞台というだけで、面白そうだと思うじゃん?フルメタルパニックふもっふのボン太くんが再登場する期待感もあり、楽しみにしていた。
しかし、期待は裏切られた。ボン太くんの声が金田朋子ではなかったからだ。しかもお話の起点が典型的なラノベそのものという平凡さ。イケメンが転校生の美少女にオンボロ遊園地に連れてこられ、その美少女が実は遊園地支配人の友人で、支配人から遊園地の再建を託される。美少女が主人公をトラブルに巻き込む流れは、まさにハルヒ以来繰り返されてきたマンネリである。
以下、面白かったところを記す。
序盤の回の、西也やいすずの賢い立ち回りは見応えがあった。西也の徹底したナルシストっぷりも見ていて気分が良かった。
6話の{netabare}面接回は、いすずの見た夢に出てきた女性3人が面接に登場するという素晴らしい伏線回収もありとても面白かった。(千反田えるがモデルと思われる)映子が出ていたのはアダルトビデオではなくアニマルビデオだったというオチには爆笑した。最後はモッフルがふもっふのラグビー回よろしく「貴様らは地球上で最も劣った生物だ」と採用者に言い放ち、制止しようとした西也共々いすずの銃で成敗されていた。様式美である。{/netabare}
7話も面白かった。{netabare} ジョーズが大砲で誤発射されたのをきっかけに危機的状況が解決されるシナリオは非常に楽しかった。{/netabare}
ふもっふを意識したであろう8話が、本作品で一番面白かった回である。番外編の回が一番面白かったあたり、本作の問題点を象徴している。明らかに何かあっただろうに「何もなかった」と各キャラが報告し、いすずもその報告を信じるという流れが3度繰り返され、その度爆笑した。モッフルの過去が明かされたり、西也が扮装して土田の誤解を解く頭脳プレーがあったりと、笑い以外の要素も充実していた。
最終回後に番外編の13話を放映されたが、何ともとんちんかんなシリーズ構成である。しかしながら、話自体は非常に笑えたしオチも秀逸であった。脈絡はゼロなのになぜか大爆笑したのは、異様に作画の気合が入っていたせいもあるだろう。
エンディング曲の直前にCパートを持ってくる構成は斬新。次回予告代わりのアトラクションギャグも笑える回が多かった。
以上のように面白い箇所も結構あるのだが、全体的には退屈でつまらなかった印象が強い。
ご都合主義の設定や展開が多すぎるのは良いとしても面白さにつながっているとは言い難い、シリアス場面での会話がつまらなくテンポが悪い、ラティファ周りの設定の説明がつまらない上に冗長でストーリーへの影響も薄い、といった理由が考えられる。
数々のシリアス設定は余計だった。ただ、{netabare}アニムスを集めて云々の設定は最終回できっちり生かされていた。{/netabare}
結論:京アニは学園モノかつギャグ主体のアニメに特化すべきです。