ぺー さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ヤマトナデシコ約七変化
2018.12.20記
オリジナル? アニメ放送と時同じくしてスマホ向けゲームもリリースとのこと。
放送期間中のCMで何度も何度もお見かけしていたゲームオリジナルキャラ“ナギ(CV坂本真綾)”が仮にアニメに登場してたらどうなってたかわからない、という真綾さんファンの私です。
残念ながら坂本真綾さんの登場機会はありませんが、本作の視聴動機は間違いありません! 主要キャラ5人を務める声優さんたち。一級(当社比)作品でのヒロイン経験おありな実力者揃いの盤石な布陣です。
土宮 明日架(つちみや あすか)
声 - 黒沢ともよ
灯中 優(とうなか ゆう)
声 - Lynn
みあ・シルバーストーン
声 - 東山奈央
七瀬 奈々(ななせ なな)
声 - 小清水亜美
森須 クロエ(もりす クロエ)
声 - 井上麻里奈
それと、地味に光る“キャラ原案:桂正和”という懐かしい御名。レアなんすかね?と思ってたら、同クールでの「DOUBLE DECKER! ダグ&キリル」でもお見かけしました。そんなにレアじゃないのかもしれません。
あまりあらすじも読まずにとりあえず1話を視聴しました。なんかチープです。陳腐ではなくチープのほうです。
{netabare}街中でおもむろに“ちくわ”を取り出し「ちくわ様」とのたまう主人公{/netabare}
{netabare}神社の境内で横一列になって怪しげな呪文を唱える5人組。よくみんなの同意を取れたな、とB級感{/netabare}
{netabare}誰に教えられるわけでもなく、なんか唱えて変身しちゃうし…{/netabare}
キャラクターの行動がちょっとおかしい感じなので途中切りも有りうる作品だとは思いますが、無事完走できました。
・大人が手抜きしたというより学生が頑張って作った感(あくまで感覚的なもので私は好意的に解釈)
・ちょっと重厚でおどろおどろしいOPが癖になる。
・{netabare}変身と戦闘シーンがなかなか凝っていて見ものだったりする。しかし漂うチープ感{/netabare}
・カセットウォークマンの登場。いつの時代だ?…SONYよ!とっとと復活しなさい。
・EDは“壊れかけのRadio”本家御仁はカバー曲でちょいムーブメントを起こしましたが、こちらはその本家をカバーしたものです。
なかなか引っかかるものがあって、途中切りするでもないなと感じさせてしまう。
あらすじは、ひょんなことでフラグメントと呼ばれる並行世界に迷い込み・・・ その並行世界はいくつかあって、あっちの世界、そっちの世界へ行ったり来たり、みたいなお話の重ね方をしています。
そしてどの並行世界でも何かしらの綻びから魔の手が忍び寄ってきて、というパターン。魔の手“黄昏の世界”と呼ばれるものに飲み込まれないよう主人公らが奮闘していきます。
話は冒頭に戻りますが、そうこうして、数話も経たずに豪華声優陣抜擢の理由というものが明らかになりました。
並行世界では主人公らと顔と名前はそのまんまの同一人物がいて、基本設定は同じなものの微妙に人間関係が違ったり性格が違ったりしてます。
例えば明日架の場合、元々の世界での彼女は能天気素っ頓狂なキャラで、別の世界ではお嬢様っぽかったり、粗野だったり、蝶々が飛んでたり、そしてシリアスだったり、{netabare}挙句には闇落ち少女だったり、{/netabare}と振れ幅が大きく、その並行世界のキャラに合った声を黒沢さんが演じられてます。元々の世界での幼少時代を含めるとざっと7パターンほどの明日架をやってたことになります。
{netabare}フラグメント毎に性格が全然違うわね、と突っ込まれてた明日架ほどではないけど、次点が優。他3名(みあ、奈々、クロエ)はそれほど振れ幅はありません。{/netabare}
人物設定以外の部分、並行世界の設定は各フラグメント毎にがらっと変わります。
{netabare}なお、黄昏の世界は何も死なないし何も生まれない、喜びもなければ苦しみもない、あらゆる可能性が失われ完全に静止した茫漠の世界。そんな世界はまっぴら御免だという象徴的な存在が明日架、と本作の主人公たる所以なのでしょう。{/netabare}
{netabare}無味乾燥な黄昏の世界との対極の存在として、フラグメント毎に喜怒哀楽いろいろな感情の違いを見せる明日架のいる意味がありました。そこに在りし日に黄昏の世界に吸い込まれ敵方の使者と堕した少女明日架がラスボスとして立ちはだかる構図は良かったです。{/netabare}
全話終わって、回収されない伏線も多いですし、作品通して散らばめられたチープさ加減を許容できるかどうかも微妙ですし、必ずしも視聴を推奨するわけではないですが、黒沢ともよさんの七変化だったり、主要5人のキャストの誰かにお世話になった人で興味を惹いたら試してみてもいいと思います。
{netabare}11話で闇落ち幼女明日架の表情の変化を現行明日架が見逃さずに黄昏の世界へ同行する判断を下すところとか良い演出{/netabare}
{netabare}なぜか“ちくわ”が伏線回収{/netabare}
{netabare}さわやかな最終話と残るもやもや感。{/netabare}
少なくとも途中断念の多かったゲーム原作ものでもしっかり完走はできました。
これは個人的には偉業といえます。
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2019.06.01追記
《配点を修正》
こちらもゲーム配信は2019年1月31日をもって終了。同クールの『ソラとウミのアイダ』と同様に短命に終わりました。