oxPGx85958 さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
アニメ・シリーズ1期の良さを再確認させる小品
『響け! ユーフォニアム』の第1期は大傑作でしたが、第2期で「あれっ?」となった部分をさらに推し進めたのがこれ、という感じでした。第1期の何が良かったかというと、ひたすら音楽を中心に話を進め、クライマックスの演奏シーンでそこまでのプロットのすべてに説得力を持たせたこと。こういう趣向を成功させているものは、実写映画でもめったに見たことがありません。
でもそれじゃ「文芸作品」にはならないわけですね。小説の段階でも、アニメ化したものでも。だからプロットに文学性を持たせようとする。それをやって変になったのがシリーズ2期で、『リズと青い鳥』はそれをさらに純粋培養しようとしたわけです。その結果、他メディアに山ほどある「文芸作品」の中に置いたら凡庸というしかない作品が出来上がった。
以下、良かった点:
● 二人が登校する姿を描くオープニング・シーンが素晴らしかった。アニメ表現の可能性を感じさせる名シーンだと思います。
● 希美を演じる東山奈央が良かった。この人のこの路線の抑えた演技を聴ける作品はとてもありがたい。
● 夏紀先輩と優子先輩のキャラクター・デザインはTVシリーズのときよりもこちらの方がそれぞれのキャラクターに合っているように感じました。葉月とさふぁいあも良かったのかもしれないが、出番が少ないのでよくわからなかった。
● 男子生徒を消すという方針は、大胆な発想で面白かった。結果としていい効果が得られていたかどうかは別として、それを思いつき、実行したのが凄い。