ドリア戦記 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
簡単な感想
今さらですが、職場で話題になって休み中に再視聴したので。
メモ程度の内容で。後で追記するかもしれません。
神山さんは、押井さんの影響でちょっと面倒な時事問題を
ストーリーに入れて扱うんですが
やっぱり肩の力が入り過ぎて面白くない時がある。
こなれていないんですね。途中で色々と語り過ぎなんです。
ああいう難しい問題はほのめかす位でいいんですよ。
結論があって、それを作り手が逐一主張するんじゃなくて、
見ている人に丸投げして考えさすくらい乱暴でもいい。
キューブリックなんかそうでしょ。
長セリフがちょっと鬱陶しい時がある。
若い人に多いですが考えていることを100%伝えようとしてしまう。
それって無理なんです。
でも、私はこの人のアニメ嫌いになれないんですね。
技術畑に片足突っ込んでいると、
どうしても経営や営業といった他の分野の人と
話をすり合わせないといけなくなる時がきます。
年齢が上がれば上がるほどそうなります。
で、技術に浸かって生きてきた人間が何を苦労するかと言えば、
「相手にわかりやすくその技術が持つ利点を伝える」ということなんです。
どんだけ言葉でスゴイって言っても畑の違う人間は分からない。
しかし神山さんが描いた未来の(最近はほぼ現実に近くなっていますが)
ビジュアルは非常に技術の可能性や利点を
全く知らない人にも伝えることができている。
2002年の放送当時、ネットワーク(インターネット)の凄さなんて
あんまりわかっている人はいなかったでしょう。
この表現力ってのは才能だと思うんです。
現に攻殻機動隊sacで描かれた技術ビジュアルの一部は
この後ツールとしてネットワーク業界のある分野で使われています。
このツールを使うと直感的に操作できるんですね。
神山さんの長所は師匠譲りの小難しい思想ではなく
この表現力だと思っています。
映画のコラムを書かれているのですが、実写映画も良く研究されています。
細かい所まで見る人はどこでどの実写演出技術が
使われているかわかるでしょう。
キャラの演技のつけ方も上手いんですよ。
さりげない仕草でキャラの本質を描こうとします。
小道具にも拘ります。
優れた才能の監督なので、
あとはもう少し「思想」を語り過ぎることを
控えてほしいなあと思っています。
余分なことは語らず、見ている人間にどう考えさすか、
もう少し中立の観点から語った方が
より問題の根深さが伝わると思うのと、バランスの取り方ですね
これは難しいことかもしれません。