「ANEMONE / 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(アニメ映画)」

総合得点
70.3
感想・評価
86
棚に入れた
431
ランキング
1603
★★★★☆ 3.8 (86)
物語
3.6
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

エウレカの模造品じゃない”アネモネ”

冒険心溢れる、終始圧倒される作品でした。
(内容を理解しきれていない人の雑な感想です。的外れなことが書いてあるかも…。)


人気アニメ「交響詩篇エウレカセブン」の新劇場版リブート作品「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」3部作のうち2作目。

2作目なので、当然1作目を見ていることが期待されますが、物語の性質上、先に2作目を観てから1作目を鑑賞しても、なんら問題のない作品でした。

まるでホラー映画かのような始まりに、入る劇場間違えたかな?なんて心配しつつ、
本作の主人公は”石井・風花”アネモネの登場に一応の安堵。
(TV版で両親不明だったアネモネに姓が…!)

突如世界に現れ、数十億もの人々を死に追いやった”エウレカ”と戦うアネモネと、そのダイブした世界で出会う「エウレカ」という女の子。

スマホに入っている”AIアプリと化したドミニク…!”

””…なんじゃこら!!!意味がわからん!(特にドミニク!!)””

なんて完全に置いて行かれつつ、徐々に物語に飲み込まれていきます。

本作の一番の肝は、アネモネの立ち位置の変化でしょう。

TV版のアネモネは、エウレカの代わりとして作り上げられた疑似的なコーラリアンであり、エウレカに対して激しいコンプレックスを持ち、致死量の鎮痛薬を常薬とする元絶望病患者の酷く危なっかしい女の子でした。
ドミニクに対する暴力や暴言も多く、憎しみに飲み込まれそうな弱さを持つ女の子…。
(終盤でしっかり成長していくため、屈指の人気キャラになったのですが。)

それに比べて、本作のアネモネは、父から深い愛情を受けて育ったこともあり、周りにストレスをぶつけることもなく、責任感が強く、それでいて大胆な行動を起こす勇気を持った女の子となっております。(勇敢な点等、根本的な性格はTV版のアネモネと大きな差異があるとは思いませんが、父の影響もあって、より”強い”女の子になっているように感じられました。)

一方、本作のエウレカはレントンを救うためにシルバーボックスの力で世界をやり直し続けている(衝撃的な設定ですね)ため、一切の余裕がなく、妨害するアネモネらに酷く敵意を持っています。(彼女のアネモネに対する残酷な仕打ちは、恐ろしく、ある種新鮮なシーンでもありました。)

以上のような、まるでTV版と真逆な2人の関係性の中、ついには、自らを殺すことをお願いするエウレカの本心に共感し、アネモネはエウレカを救うために彼女の手を握ってみせます。その手に、エウレカはいつかレントンが握ってくれたことを思い出して…(泣)

エウレカの模造品として作られたアネモネじゃなく、父の愛情を受け、一人の人間として育ったアネモネ。無印から二大ヒロインでありながら、なかなか実現しなかった対等な関係としての2人の並び…。
2人が協力して、「真なる世界」への扉を開くシーンは、涙せずに見られない名シーンでした。(コミカル演出が目立ちましたが笑)


それと、作中の演出で、他の劇場版や漫画版だけでなく、TV版すらも”選ばれなかった世界の一つ”かのように描いていたようにも感じました(気のせいでしょうか??)が、どうでしょう。レントンが生きている限り、選ばれない世界にはならないはずですが…。
本作で、広がっていたエウレカセブンのパラレルワールドを、一つにまとめ上げる所存だとすれば…3作目も相当面白く美しくなければ納得できないでしょうね…。ハッピーエンドは当然としてね!!

アネモネも大好きですが、なんだかんだで、エウレカとレントンが占める本作の役割は特別なものなので、エウレカメインと予想される3作目の完結編には大きく期待しております!

また、1作目は設定を若干いじったTV版の焼き増しのような作品でしたが、改めてみると違って見えそうです。
しつこいほどに繰り返された「Play Forward」と「Play Back」の演出も、今思えば意味深だったような…。
ともかく、TV版と乖離の大きさから、好き嫌いは分かれるかもですが、非常に見応えのある作品だったのは間違いないかと思いますので、お勧めします!


以下、その他の気になった点 雑記

●作画…
 ついにエウレカにも3DCGが…。絵が動く方が大分格好いいとは思いますが、気にならずに見れました。進化してます。

●可哀想なドミニク…
 アネモネが主人公ってことは、ドミニクも半分主人公だろう!なんて観る前には思ってたんだけどさ…AIアプリ「ドミニク」だぜ…。
 エウレカの世界での実体化したドミニクだって、父の作戦執行のためのAIエージェントに過ぎず、AI”爆弾”でもあるんだぜ…トホホ。
 最終的にアネモネが選択した現実世界で、青年の姿で受肉に成功したとはいえ…恋愛描写が少ないじゃんか!
 ドミニクとアネモネは恋愛もミソだろうが!(個人の主観)

●アネモネの変化は許せるか?…
 個人的には、本作のような変化は許したいです。「まるで別人」とまでは思えないし、頭痛に悩まされるアネモネより、こっちの方が幸せになれそうじゃないですか!あとは、もっとドミニクと恋愛的なやつをお願いします。(しつこい)

●ガリバー・ジ・エンド…
 見た目がダサい!!次作で、格好いい感じに変形してくれ!!

投稿 : 2018/12/15
閲覧 : 388
サンキュー:

9

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