Tnguc さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
膨張した時かけ
~
「厨二病」というヴェールを重ね着して身勝手な学生身分を送る主人公・岡部倫太郎(おかべ・りんたろう)が、タイムリープによる時間移動に翻弄されるSFアニメ。タイムマシンの発見により、自堕落で生産性のない溜まり場から危険なラボラトリーへと豹変していくその様子は、蒸し暑いひと夏の物語であるはずなのに背筋がヒヤリとする緊張感で密閉されている。タイムマシンを巡る陰謀が徐々に岡部という一般人を追い詰めてゆく緊迫の展開は、まるで髪を洗っているときに背後で誰かが立っているかのような目に見えない恐怖がこの作品の根底で渦巻き、自分の影からは逃げることが出来ないのと同じくらいに必然性を帯びていて、それは絶望とも言える。それら岡部だけが抱える苦悩や後悔、そして決意を巧みな演出によって収束していく物語構成は抜群の吸引力がある。オタクに受けそうなキャラや舞台設定、安っぽいロマンスなど、幅広いターゲット層を掴む要素には説得力があり、あにこれβで総合1位に君臨していた事実も妙に納得できる。勿論、原作ゲームの人気が力添えしていることも理由の一つだ。
個人的評価:★★★★☆(4.0点)