nloveY さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
全てはAfterへの布石、前章(ではあるが)
10年程前にPSPのゲームで本作に出会いました。
当時はギャルゲー未経験で初の試みでしたが友人に強く勧められたのと、そういうものに疎い私ですらチラホラ耳にする知名度に興味が湧きプレイに至りました。
が、攻略情報を参考にしなければ到底コンプリートできない、Trueに進むことができないゲームシステムに煩わしさを感じ、すごく長い時間を掛けてクリアした想い出があります。
もちろんその後はアニメにも手を出すことになり大好きな作品になるのですが何もかもが未経験、経験不足であった当時と今とでは感じ方が違うと思うのでやや贔屓目で見てしまうことを考慮して厳しめにレビューしたいと思います。
まず、本作について酷評するレビューとしてよく見掛けられる「ダラダラと長い」「突っ込みどころが多すぎる」ことについてですがCLANNAD大好きな私からしてもその通りだと思います。
しかし、元々ゲームである本作は『学園編』『AFTER STORY』そして所々挿入される『幻想世界』で成り立っています。1期の本作は『学園編』にあたる訳です。ギャルゲーやエロゲーでは珍しくないですが各メインキャラクターの個別ルート、つまりメインキャラクターの固有のシナリオを攻略し読み進めて行くことで初めてTrueである『AFTER STORY』が開放されるシステムになっています。特にCLANNADについては顕著でメインキャラクター以外のサブキャラクターも攻略しなければならないシステムになっているのでそれに掛かる時間は尋常ではないです。何が言いたいかと言うと本作のメインである『AFTER STORY』を語るためには先にその長い長い個別ルートも描くことが必要不可欠になってくるのです。
次に説明がつかない突っ込みどころが満載の本作ですが、これについては{netabare}『人が人を思う気持ち』が起こす奇跡、ゲームとしては主人公(朋也、ひいてはプレイヤー)が各シナリオで問題を解決し光の玉を入手しその力がTrueルートへと導くという文章にするとどうしてもチープな物になってしまいます。{/netabare}
本作については特別大がかりなロジックや視聴者の期待を裏切る仕掛けはないのでそういうものを期待する視聴者にはおおよそ向かない作品になっています。
恐らくですが本作が好きな方はゲーム既プレイが多いと感じています。昨今のアニメと比べれば比較的長編である本作ですがゲームなんて比べものにならないくらい長いですからね、プレイヤーがキャラクター達と過ごしている時間も計り知れない訳です。
ですがこれはアニメのレビューとして見なければいけないので1期は1期として評価するともう少しやり様があったかもしれないというのが本音です。
本作は信者の声が大きく世間的にも評価されている作品であると感じていますが「友人が勧めてるから」とか「あにこれでランキング上位にいるから」とかそういう理由で視聴するのは全くオススメできません。『2期(アフター)まで見たら絶対面白いから!』と勧められる方もいらっしゃいますが私はそうとも限らないと思っています。もし私がゲーム未プレイでたくさんのアニメを見てきた今初めて本作を視聴したとしたらボロクソに叩いてるかもしれません。
総括するとゲーム既プレイでクリア済みの方は楽しめると思います。未プレイの方は「主人公(朋也)のことが好きになれるか」「好きなキャラがいるか」「全体的に曖昧な設定に納得できるか」という点で視聴するか否かのポイントにしてもらえればと思います。
個人的にはゲームでは春原が好きで続いた部分が大きかったです。アニメについては朋也の声がイメージ通りで声優さんの演技が良かったと感じたのがプラスポイントでした。