World さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
パッケージと内容のギャップ
今さらながら視聴しましたのでレビューを。
タイトルしか知らず、タイトルと絵柄を見た感じほのぼの学園ストーリーなのかなと勝手に想像していましたが、良い意味で裏切られましたね。
まず設定が秀逸です。トラウマを解決していくというストーリー自体は良く見かける平凡なものですが、舞台を死後の世界にする事によって斬新さを感じさせてくれます。
又、設定が斬新な作品は、後半になるとどうしても無理が生じる部分が多くなってくるものですが、設定そのものに日本人の生死感を入れ込むことによってうまくクリアしています。
これが異世界転生だとか、未来が舞台のSF作品だと、身近なテーマでは無い為、どうしても世界観の説明が必要になってきます。
舞台はどこがベースなのか。どんな歴史で成り立っているのか。何故転生したのか。等々。
ですが、例えば生い立ちに納得したら消えてしまうという設定一つとっても、その理由はなんとなく説明されなくても理解出来ますよね。言葉で説明されなくても、あぁ、そうだろうなと納得できます。
その為、舞台が用意されている理由や後半の展開も、モヤモヤするような点がなく、視聴者が理解できる様な理由もしっかりとある為、設定自体がぶっ飛んでいても、すんなりと受け入れる事が出来ました。
周りにそんな過去がある奴ばっかり居るわけ無いだろと思われる事が無いのも良いですね。あくまでも死に納得出来ていない人の死後の世界ですから。そこもクリアしています。
終わり方が綺麗だったのも好印象です。
次にキャラクターですが、これも良かったです。
キャラクター一人一人の生い立ちが物語の軸になっている為、主人公はサポートすることはあっても解決するのは自分自身です。
ですから、主人公が解決していくような単調なストーリーではなく、あくまでも主人公は物語の軸でありながらも、他のキャラクターメインで進行するパートもあり、飽きることがありません。
普通は主人公以外はどうしても薄くなってしまいがちですが、他のキャラクターの個性がしっかりと出ていました。愛着の持てるキャラクターが多かったのも良かったです。
さらに、これは設定の部分でもありますが、キャラの個性がそのキャラの生い立ちと深く関わりがある為、より一層わかりやすく受け入れる事が出来ました。
作画や音楽も良かったですね。キャラの動きもポップで可愛らしく、音楽も本格的でした。
気になる点としては、物語の捉えるポイントが少し細々としたものに限られていて、若干退屈に思う所が多少あった事です。
もう少し大きな展開があっても良かったかなとは思います。
ですが、まぁあくまでも主人公たちは高校生位の子達ですから、それはそれでらしさがあって良かったかもしれません。
思春期って、自分の中の世界がとっても大きいですからね。他の作品なんかよりよっぽどらしさが出てるかもしれません。
全体的なクオリティが大変高く、満足です。
突き抜けた面白さでは無いですが、心が暖まる良い作品です。
オススメです。