「となりのトトロ(アニメ映画)」

総合得点
88.1
感想・評価
1645
棚に入れた
11330
ランキング
132
★★★★☆ 4.0 (1645)
物語
4.1
作画
4.1
声優
3.8
音楽
4.1
キャラ
4.0

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norimeru さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ねえ、トトロはどこにいるの?

「トトロはね、世界中でたった一人、あなたの心の中にいます」

いやいや、それは「ニッキーミャウス(by ネズミーランド広報)」。


療養中の母親がいる病院の近く、田舎の村に引っ越してきた草壁一家。
豊かな自然の中、皐月、メイの姉妹が不思議なトトロと出会う物語。
いまさらの説明は必要ないぐらい、周知のストーリーです。

初公開はナウシカから4年後、ラピュタから2年後の1988年。
私の初視聴はテレビ放送(今はDVDも持ってますが)、以来何回観てきたことでしょう。

宮崎監督が、テーマとしていつも主張されているのは「自然」。
ナウシカでの腐海や蟲たち、ラピュタでは空飛ぶラピュタの大木や小鳥たち・・・。

トトロでで描かれているのはど真ん中、日本人の心にある自然です。
この作品の風景が、田舎のイメージになっている人もいるのではと思うくらい。

後付けの知識では、時代背景は昭和30年ごろ。
森の木々や川の流れ、田んぼや畑と青い空。
高度成長時代に向かっていた都会とは、違う景色だったはず。

そんな中で、皐月とメイがトトロに出会います。
純粋な心を持つ子供だけに起こる、不思議な出会いとふれあい。
いなくなったメイを探す皐月を助けるトトロ。
母親を心配する二人を乗せ、病院へ向かうネコバス。

実際に自分が知っている田舎と重なるのでしょう、大人でも夢中になります。
子供だって、まるで本当にトトロがいるかのように喜びます。

一人で観ても、とても幸せな気分になれる作品です。
子供と観れば、さらに幸せ感がアップすること請け合いです。

これからも再放送はあるはずで、そこで初めて観る子供もいるでしょう。
自分たちの子供に、DVDで見せる親御さんもいるでしょう。

リピーターも新しいファンも、どんどん増え続けていきそうですね。



さて、この作品、自然への回帰や純粋な子供の心を描いています。
それだけで、もう十分なのですが、ここから少し勝手な解釈。

宮崎監督は環境問題などに、多少原理主義的なところがあるようです。
最近の宮崎作品の表現は、それが表に出てきてちょっと屈折気味。
初期作品の方がストレートに心に響く気がします。

でもって、トトロはストレートな初期作品。

自然をいつくしむ心を持って育ってほしい。
家族や他人を想う気持ちを持って生きていってほしい。
物質的な目的のみを追い求めるのはどうなんだろう。

そのようなことを具現化した場所が、ここの田舎村。
都会に比べれば不便だけれど、井戸水で冷やしたおいしい野菜があるところ。
行方がわからなくなったメイを、総出で探してくれる人々。

「トトロの住むような森を守ろう」
「自然に目を向けよう」
まっすぐに受け取れるメッセージですが、これだけではないのかと。

トトロという具現化した「不思議なもの」に守られ、助けられた皐月とメイ。
ですが、二人を見守っていたのは、トトロだけではないのです。
お父さん、お母さん、村の人、みんなが二人を見守っています。

二人のことを思っていたみんなが、トトロのような存在といえるはず。
トトロは自然の中にしかいない、自然がなくなればいなくなる、私はそうは考えたくないのです。
子どもを守るすべてのものを、トトロと言ってよいのでは?。
(子どもを守る気持ちがあるなら、自然も大事にするでしょう。)


ねえ、トトロはどこにいるの?

「トトロはね、世界中であなたを見守るすべてのもののことなんだよ」

投稿 : 2012/02/24
閲覧 : 333
サンキュー:

24

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