deash さんの感想・評価
2.0
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
2だな
ストーリーと演出が全てズレている
そもそもこのストーリーは古いSFの不思議感を中心に作っているので、長い話を書いて時間をかけないと回収できない。これは所謂、SFという意味では空想科学と呼ばれていたタイプの作品のなり損ないである。実はこの話は雰囲気だけでなんとなく見るストーリーではなく、制作側が作り切ることなく途中で演出が途切れているのであるが、しかしなんとなく終わらせているのだ。なんか意味不明な内容にしか意味が分からないように作られてしまっている。きちんと演出をやれていない。要はこの作品は演出に失敗している。本当はもっと長編ストーリーレベルの長い作品で棚晒しになっていたボツ作品であり、その作者に棚からおろしてもらい、それを仕上げた(仕上げていない)ものである。ストーリーの制作途中から雰囲気作品であるかのように錯覚させているだけで、意味不明にすることを目的とした演出が大量に入れてある。そこに失敗があり、演出が滑っている。あれは推定するに、良いとこネットワークと古いサーバーの話だろうと言いたいが、意味不明にしてあったとしても意味が分かるとその段階で滑っているのに気が付く。なんかシステムが壊れてるわ、ウイルスは入り放題だわでセキュリティも弱くて、それでオープニングが暗いのだろうが、なんでやねんとしか思わない。とっとと新しいシステムに更新すれば良いと言いたくなる。さくっとフォーマットされて廃棄される古いマシンの悲哀には誰も気が付かないだろう。実はそういうネタなのである。まずあれでは、HDDを始めとした老朽化したマシンとするのは無理である。そもそも主人公が、またその仲間がしっかりと存在感を持って出ている時点で、あの世界の人達などはそこそこ大事なデータとして捉えるべきだろうと思う。だとすると、それはきちんと移行しないかなあ?そこに悲哀だって?と感じてしまう。つまりそういう滑り方である。世界全体を雰囲気で押し切らないといけない所を、キャラクターを中心に据えたのでお話の趣旨と世界観が全く客に分からなくなっているのだ。世界は箱であり、ネットワークに晒されており、箱の中身は全てプログラムとしたい訳だ。あれでは理解が追いつかない。彼らは廃棄前のpcのデーモンにもサーバシステムにも見えない感じがしてしまう筈だ。表現がかなり間違っている。自分でセキュリティをし始めるし、自律行動している。どんな旧式サーバーなのか。セキュリティはセキュリティでまた別にさっちーとががいるようだが、あれだけ見ても既に古いサーバーに例えるのは不可能である。雰囲気モノから雰囲気を取ってしまったのだ。
もうひとつ。
キャラクターが自分達が仮想現実だと気が付くことが悲劇???という疑問符を客に与えて、実はサーバーの話でした、という演出の間違いを犯している。そこすら間違いなのだ。それはまず鑑賞後に誰一人サーバーだとわからないことが何よりの理由である。プログラムでできた人間たちが、メガネやそのほかの要素によって自分が架空の存在だと気が付いていくという話にしたいのだが、そこが失敗していて分からないので、実はサーバーの話でした、だから暗くないよ、それがオチです、まで結びつかない。二重に滑った作品は珍しい。弄った人が料理の仕方を間違えている。もう一回いうが要は下手なのだ。これは失敗なのである。オープニング曲は無意味に暗く、また歌詞が何一つ中身と一致しないと言ってよい。
わざとやろうとして失敗しているので評価は下げるべきだろう。これをネット民が理解できているとは考え難く、アマゾンやブログなどのレビューはほとんど全ての文が間違っている。解釈すら違う。
ありゃ俺でなきゃわからねえ、実は全然完成してないんだよ。
サーバーネタも混ぜる前の作品となんともセンスが近いので馴染んでみえなくもないが、混ぜ方が完全に間違いである。