oxPGx85958 さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
イマジネーション不足と詰め不足
とても面白かった『とらドラ!』と同じメイン・スタッフによる作品なわけですが、こちらはどうも乗れなかった。いろいろ考えたんですが、あちらにはライトノベルの原作があり、こちらはオリジナル脚本だというところに原因があるんじゃないか。
特に問題に感じたのは、(1)めんまが物理世界に対してどんな影響を与えられるのかという点と、(2)めんまに対して主人公が何をどうしたいと思っているのか、という点での詰め不足でした。この2点は物語をドライブする大事な要素なのですが、フラフラしていてよくわからない。そのため、視聴者はストーリーの展開を論理的に予想することができなくなり、「予想通りの展開で気持ちいい」とか「予想を超えた展開で驚いた」というような体験ができないわけです。特に前者については、最終話近くになって「そんなことできるなら第一話からやっとけよ!」みたいになる。しかもその背後に、話の展開を遅らせたかったからという以外の理由がなさそうにみえるから後味が悪い。
他の登場人物たちの人間関係については、自分はターゲットの視聴者ではないと感じました。
一つ、戸松遥はとても良かった。彼女が演じる「あなる」というキャラクターは、脚本上でも納得のいく人物造型がなされていましたが、戸松遥がそれに命を吹き込んだという印象です。この人は類型的演技をやることも多いけど、ときどき高みに昇ってしまうことがある。