oxPGx85958 さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
いい構想だが、物語が消化不良か
かなり前に手を出して、途中で挫折していたのですが、今回『ログ・ホライズン』との原作者つながりで最初から最後まで見ました。
『ログ・ホライズン』と同様、リアリスティックな世界観とその上で語られる物語の現実味という点で、本作はとても良い作品だと思うのですが、1クールのアニメ・シリーズとしての完成度という点では不満が残りました。特に最後の方に持ってきたクライマックスが、それまで展開してきたリアリズムを台無しにする普通のファンタジー・アニメだったので、全体の印象がチープなものになってしまった気がします。「あえてそういうのを持ってきた」のかもしれないけれども、そうだとしたらシーン自体に説得力がなかった。
起用された声優陣の演技は、良く言えば「安定している」ということなのだろうけれども、私には人工的に聞こえました。主なスタッフとキャストが共通している『狼と香辛料』について、私は「ラジオ・ドラマを聴いている感じがする」と書いたんだけど、それと同じです。役者が台本を読んでいる、という感じがします。
これは監督の好みであり、意図的な方針なのだろうとは思います。古典的な演劇、みたいな雰囲気を作り出そうとしているのか、と。しかし、本作のように物語の大枠でリアリズムを指向している作品では、細かいところでもリアリズム指向の演出をしていた方が良かったんじゃないか。原作にあった台詞に縛られていて、それが不可能だったのかもしれませんが。