STONE さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
話数が
原作は未読。
2期ものだが、全8話というかなり変則的構成。
展開的にはアルスラーンが戻ってきた父アンドラゴラス三世に放逐されて、取り巻きのみという
少数編成となり、また1期前半の頃のようなテイストに。
終盤になると勢力争いはパルス、ルスタニアの二大陣営といった単純なものではなく、各陣営が
分裂することで複雑化していく展開。これがいよいよ直接対決かという直前のところでいきなり
終わってしまった。
原作未完作品は大なり小なり中途半端感があるが、本作は特にそれが強く、これは話数の少なさの
影響もありそう。
アルスラーン一行の無双振りは1期の頃からだが、本作は中盤のギラン編のような
完全懲悪時代劇を思わせる展開が中心となっていたためか、よりその印象が強い。
一行の行動自体はナルサスの作戦に基づいたものが多いが、そのナルサスの作戦自体が仲間の
個人的強さを前提にしたものが多く、同じ田中 芳樹原作の「銀河英雄伝説」と較べても、個人の
勇猛さを前に押し出した感が強い。
田中氏は中国の歴史ものが好きなようだが、一個人が戦局を変えてしまうような英雄豪傑が
登場する中国の白話小説のようなノリを本作には求めているのかな。
頭脳部門はナルサスの独壇場という印象。ただ1期からそうだが、ナルサスの知略が相手より常に
上手の感がありで、安心できる反面ハラハラ感がない。
それでていて、その策略が視聴者を唸らせるようなものかと言うとそうでもなかったり。
もう少し敵味方の白熱するような頭脳戦が見たいところだが、敵役に知将キャラがいないのが痛い
ところ。
これも話数の少なさの影響か、全体的には筋を追うだけに終始してしまった感じ。
本シリーズはキャラ同士の会話による心情描写、人間的成長、掛け合いのユーモアなど、本筋
以外の部分に魅力を感じたりするが、その辺が本作では少なかったのが残念。
そのために全体的動向は変動しこそすれ、アルスラーンの成長譚という点ではあまり変化が
感じられなかった。
2018/11/25