ぱるうらら さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
少々課題が残った作品。
『偽物語』は小説原作、1クール(全11話)の青春怪異アニメです。
今作は前作よりもかなり話数が減っています。内容が偽物語は化物語に比べて薄いからなのかもしれません。
そして、前作は特に良く用いられていた『文字による演出』が減っています。物語シリーズの独自性と言える、文字による独特な演出自体は味があってよかったのですが、やはり今作の如く、その演出の仕方を減らした方がより見易くなったように感じました。
画面の切り替わりの回数は相変わらず。そしてアクションシーン等々における躍動感や迫力を過剰に感じさせるための演出に関しては少々やり過ぎではないかと思わずには居られない程のモノでした。
しかし、シャフト特有の演出方法は存分に発揮されていて、特にシリアスシーンにおいては独特の緊張感が伝わり、それはそれで良かったのかも知れません。ただ、ストーリー的に戦いの要素が薄かった今作においては、あの過激なアクションシーンはやり過ぎ。どうにも暴れ回りたい様に見受けられるこの西尾維新シリーズには、傷物語でその力を発揮してもらいましょう^^
また、前作より圧倒的に増えたモノは微エロシーンでしょう。特に声による演出はよく放送出来たなと感心するほどですw ただ、これらのシーンに関しては意見が非常に割れたはずです。もはや何を目指しているアニメなのか考えさせられる始末で、素晴らしい迷走っぷりでしたw
そしてもう一点、前作と異なるのはキャラデザです。
髪が長くなった子もいればお下げを取ってメガネを外した子、カチューシャを付けた子等々、劇的に変化した登場人物もいました。一番変わったのは委員長ちゃんでしょうか?
ファイヤーシスターズと八九寺は前作と変わらず...。
忍は前作と比べると…丸くなりました。表情に優しさが込められたような感じです。目の形も以前のような(`・ω・´)キリッとしたものではなくなりました。故に、形容的に一番変化したのは忍なのかもしれませんね。
かれんびー編のストーリーは全体的にインパクトが無く内容も薄かった様に感じました。ダラダラとした展開が続き、その一番の見せ場である、かれんビー編のクライマックスは近作の重要人物に関して期待させるだけさせておいてかなりアッサリと終わってしまい正直拍子抜けしました…。なぜ7話も続いたのだろうと。
しかし、残り4話のつきひフェニックスでは(その大半がエロシーンで終わったような気もしますが)、ある意味ではそのかれんビー編における伏線(今作における一番の疑問点である、貝木泥舟の行動の真意など)を回収し、なんとか其れまでの暴走を食い止めて締める事が出来たのではないかと思いました。
それに、かれんビー編においてはファイヤーシスターズ以外の登場人物にも視点を置いたから、この新シリーズとしての内容が薄くなっていたのかもしれません。私がこの偽物語前半部において一番印象に残ったのは八九寺でしたし^^;
まとめると、本作の前半部のストーリー性に関しては期待外れでしたが、結末が気になったり伏線の貼り方が上手かったので、毎話毎話の期待度は想像以上でした。これが私の結論です。
最後に言える事はただ一つ、次回作に期待。