「キルミーベイベー(TVアニメ動画)」

総合得点
73.1
感想・評価
1501
棚に入れた
6720
ランキング
1057
★★★★☆ 3.6 (1501)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ネタバレ

コマキノ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

キルミーベイベーは不滅、何度でも甦る

原作読了。当時リアルタイムで視聴

2012年冬アニメ
現在でも一部界隈でカルト的人気を博す作品。自身もその一人

この作品をジャンルで表すなら、シュール系ブラックコメディ・ギャグアニメ
ただそのシュールの度があまりに過ぎており、初見では退屈感の方が圧倒的に勝っていました

話の流れも1話から最終話までワンパターン
やすながアホみたいなことをしている所をソーニャが暴力的にツッコむ。ただそれだけ。ほんとそれだけ。たまに忍者と殺し屋が出てくるくらい。ネタバレの余地無し。23分2人だけで喋り倒すだけの回というのもザラにあります。
そのギャグのパンチも弱いです。ほとんど真顔で見ています。
放送当時はもう退屈で退屈で仕方のなかった、ただの凡アニメと捉えていました(円盤も当時としては最低レベルの1巻686枚)

それでもこの作品、忘れたころに不意に見たくなる、そのシュールさから来る謎の中毒性と安定感を秘めており、今では1か月に1度は不意にランダムで1話分見返したくなる衝動に駆られるほど微ハマりしているアニメとなりました(流石に1話分見たら満足して飽きてしまう)
事実、この作品は放送終了の1年半後に再評価されたアニメとして当時話題にもなりました(BDBOXが4000枚の売り上げ)

その要因について、この作品の良さと絡めて3つ挙げたいと思います

まず、見せ方が一定の水準で安定しているところ。良く言えば方向性にブレが無いことが挙げられます
話の内容、進展はほぼゼロ(13話くらい)、登場人物も3人のみという物語の薄さ。やすなのボケ、ソーニャの突っ込みが延々続くその構成。その内容に見合った緩すぎるキャラデザ。作画も必要最低限な反面それ故崩れることはないというところ
それぞれ並べてみればシュール、緩さという部分を最大限引き立たせるという面では思いの外計算されているのかなと感じています

そして何より重要な要因として1つ、この作品にはキャラクターが視聴者側に媚びているシーンというものが一切ありません。
昨今の深夜アニメ、どんな作品でも思い返せば女性キャラクターの恥ずかしそうに頬を赤らめるシーン、胸や肌の露出部分を強調するようなシーン、ラッキースケベなシーンというのは1つや2つ存在すると思います。
それで見る側が可愛い、尊い、スケベだと思っても、どこか心の奥底2%くらいには制作陣、キャラが視聴者に媚びているんじゃないかとマイナスな印象で考えてしまう部分が誰しも存在しうるのではないでしょうか。
そういった邪念を排除するため、視聴者側に媚びたようなシーンを一切見せず、ただただアホみたいなしょうもない場面を延々映すところに、この作品の真骨頂があると思っています。

人物描写の面での良さを語るとすると、いつもアホみたいなことをしているやすなでも根本には{netabare}ソーニャを殺し屋業から手を引かせたい{/netabare}という心情があり、そこには彼女なりの優しさがある。ソーニャも普段はやすなには暴力的に接している反面なんやかんややすなに付き合ってあげている。そんな2人の関係は見ているだけでも良いものです
そんなに人物を深く掘り下げるような作品ではないと言われればそれまでですけどね。

正直、声を大にして人に薦められるのかと言われたらそれは出来ません
実際これといって特徴のない、ただただシュールで単調なストーリーが13話続いているだけ。アニメとしての質も低い方です
それでも埋もれてしまうことは決してない、どこか頭の片隅にくっついて離れられない不思議な魅力の詰まったアニメとして今もキルミーファンはどこかでワサワサしているのです

投稿 : 2018/11/24
閲覧 : 411
サンキュー:

8

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