Progress さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
youthful beautiful
最終話、終わりましたね。フォローしているレビュワーさんの最終話の評価が高くなかったけど、私としてはこれでアリかな。
正直、原作を見ていないし、特撮も詳しくないため、そういった部分について書くのはあまりに図々しいと思い、その辺りには触れないことにしています。他のレビュワーさんが詳しいし、その辺についての技術や知識について、リスペクトのために書かないことをご容赦ください。
登場人物のポジションについて考えてみました。
11話の追記を追加
12話の追記を追加
{netabare}
響 裕太
彼は非常に物語を円滑に進めてくれている、というか、「戦わなくちゃ」という意思がどこからともなく沸いて出てくることに、違和感を感じています。これが、彼が記憶を失っていることと関連があるのではないかな。
11話追記:「思い出してくれ!君の使命を!」という言葉で戦わなくちゃいけないということをすぐに決心できたのはこういうことか・・・
グリッドマンが高校生達の青春の舞台の舞台装置であるならば、ぶっちゃけ祐太は舞台装置でしたっていうのは「物語を円滑に進めてくれている」という疑問を解決させてくれました。
12話追記:祐太の項目でグリッドマンの技について書くのもどうかと思うけど、アカネの心を修復する技で、アレクシスケリルが倒されたって事は、アレクシスケリルは人の心の弱さにしか入れない、病気的な存在だったのかもしれないですね。
内海 将
彼には非常に視聴者寄りのポジションを与えています。グリッドマンに乗るわけでもない、普通の高校生が混じっている感じですかね。
グリッドマンのコックピットのような描写がなく、いつもグリッドマンと祐太の戦いを、六花の店でサポートしている描写が中心に描かれていることからも、もしかしたら主人公は世界設定の一部であり、内海及び六花が、あるべき日常のポジションに位置するのかもしれません。
彼がアカネに恋をしているかのような描写、活かして欲しいなあ。
11話追:普通の高校生という視点は間違ってなかったかな。祐太のようにヒーローにもなれない、何も持っていない高校生というポジションをより強調していました。今回の内海の何も出来ない悔しさとか好きだなあ。
12話追記:今度来るときは祐太にじゃなくて俺に入れよって言う理由からも、内海の一般人というポジションを突き詰めたセリフでしたね。
その一般人の内海が、「一般人の俺は何もできないから行かねえわ」、と言って、それを六花に「内海君はさあ、祐太君の友達なんでしょ?」と言われて、友達としてできることをやる、という意思に発展させて、祐太の友達というポジションに行き着いたのが良かったですね。
宝多 六花
彼女の日常が、否定されることに対して抗うことが、この作品の軸だと思ってます。彼女の日常とは、彼女を取り巻く世界が、彼女が考えるあるべき姿を保っている事と、六花という存在が、作り出された存在であり、定められたルールに縛られ、生み出すことの出来ない存在なのかという、自身への存在価値を問うことになるのかな。
11話追記:六花が友達という設定をどう受け入れてアカネにどうアクションを取るかが表現されましたね。その許容した心の美しさが最大限演出されていました。
最終回はアカネを六花がどう日常に引き戻すか・・・でしょうか。
12話追記:六花がアカネをどう正すかが問題でしたが、アカネが六花に与えたのは、日常への切符でしたね。緩く、いつもの調子で、日常の側からアカネを許しの心で救い上げる事で、私は六花に、日常側を肯定する強い美しさを見ることが出来ました。
新条 アカネ
彼女が神であるなら何でもしてもいいよねという事ではないよ、というポジションは、六花がになってくれていると思います。
つまり、電脳世界だろうが、アカネの改変により人がいなくなることへの問題提起は、六花がしてくれてますね。
アカネは六花のオリジナル性を演出する友達であり、アカネを嫌いになれない六花が、どうやってアカネを友達として救うのか、それが楽しみです。
一方で、アカネという人物が、暗い性格を持ち合わせているからこそ、共感を得られているのも事実です。(共感というより、自身の存在のための肯定かな)破壊衝動、コミュニケーション障害、引きこもり、無関心。そういった人間の負の部分から、六花たちが救い上げるこれからの展開に期待していますね。
11話追記:祐太を刺してアカネ自身がずるいと自己評価したことが、彼女の良心ですね。後は、その良心の美しさをどう活かすか・・・
12話追記:彼女の良心を最大限に活かした演出でした。作画が良い、だけでは、この美しさは獲得できないでしょう。特に、個々のパーツの美しさだけをあげつらえてもね。
アカネの良心、自分が作った世界の住人に一杯酷いことをした、ごめんなさい、という、泣きながらに「謝ること」をしてくれた、この時に私は彼女の良心に本当の美しさを見ることが出来ました。
アカネが「もう怪獣は作りたくない」といい始めた理由も、自分が作った世界が壊されていくことが怖かったのだと、彼女の良心を見て納得できました。
同時に六花がアカネを「アカネは繊細なんだよ」と評した意味がようやくわかったようなシーンでした。弱いのに、いつも強くいようと思っていて、ずっと気を張っていないと崩れてしまいそうな部分があるということが分かった気がします。
{/netabare}