Progress さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
転生したらスライムだった件 レビュー
スライム生活、始まりました。
サラリーマン三上悟は気がつくと異世界に転生していた。
ただし、その姿はスライムだった。
魔物種族と仲間となり、獲得したスキルを駆使しながら、
さまざまな問題を解決していくスライム創世記。(TVアニメ動画『転生したらスライムだった件』のwikipedia・公式サイト等参照)
さて、サックリレビュー。
人間が主人公じゃないことはよくありますが、まさかモンスターでかつ手足のないスライムを題材にしたという事で、まずそこで引っかかる方が多いんじゃないかと思います。
なろう作品であり、主人公は建築技術系の知識を持っていますが、それが披露されたのは、主人公が町づくりをしたときに「知識があってよかった」というような部分だけです。
つまり、現代技術におんぶにだっこしたような作品ではありませんでした。
現実の世界で理不尽に死んだために、得られたチート能力で活躍するという、生まれ変わり願望のようなものが原点にある作品ですね。
物語のメインテーマに見える仲間集めは、多くの作品で敵を完全に排除するような描写があり、そういった理非を明らかにした物語に疲れた人たちにとって、敵であった者たちと和解していく今作品は「許し」の中に物語の魅力を感じたのではないでしょうか。
おれつよ系の、主人公が最強、という設定でもなく、主人公は強いけど最強ではなく、限界もあるし、仲間を頼ることもありました。
しかし、一応私の視点では、主人公の思想が揺らぐことがなく、主人公の思想によって周囲が変わるような、ある種思想の絶対性の部分があり、その部分は奥歯にものが挟まるような引っかかりでしたね。
まあこの作品は、主人公の精神的な成長ではなく、あくまで一スライムの「のし上がり」を描いた冒険活劇とまちづくりシュミレーションがテーマにあるのだと思います。
作画については良いほうです。終盤の作画もいいし、スライム主人公のデフォルメ感のあるかわいさもいいですね。
キャラクターの造形で言えば、女性キャラはかわいさがありますが、ちゃんと異世界感があって、異物感があり中々引っかかっていい感じでした。
男性キャラについても、種族ごとの違いを出しつつ、若い男のカッコよさや、渋さ、漢らしさが意識されていて、そこそこ良かったですね。
さて、まとめ。
どうにもなろう異世界に最近、世界の新しさがあるかで見てしまい、どうしても飽きがちのジャンルになりつつあります。ですがこの作品には敵を自分がのし上がるための完全なやられ役にしているのではない、「許し」の面が作品を柔らかくしてくれていましたね。。相手の事情を考えつつ動く主人公ですが、人間的成長はなく、周囲の変化を描いたシュミレーションゲーム的な要素が強い作品でした。コメディ作品として主人公が周囲の暴走やボケにツッコミを入れる形式ではありましたが、どうもいまいち面白さが伝わりにくいツッコミだった気がします。