ダレイオス さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ゆるいだけのアニメかと思ったけど意外にまとまってました。
まず見だして思うことは、背景がひん曲がってるな・・・が印象的
建物から内装の戸棚や家具までぐにゃぐにゃと捻じれていて
そういう演出なのだろうけど、不思議な感覚に襲われましたね。
うーん、欠陥住宅ではないのか?てぐらい不安定な建物だったり
パステルカラー状に描かれた風景で子供じみた世界観に
ストーリーや中身や内容よりもその作画の作風が気になった。
設定は原宿を舞台にしていて、そこでお店を開いている3人の女子高生が主人公側というもので
そこでの日常からスタートし
ある日、UFOが地球を襲い地球の建造物を消していくという
巻き込まれ型な内容でした。
そして作風はぬるいかな、大変な状況だけど出ている主人公側の3人は
どこかに遊びに行くかのごとくノリノリなので
正直子供がはしゃいでるかのよう
凄くピンチなのにワイワイしたり作風は独特で
ストレスフリーだな・・・と思う。
バトルもあるけどこれも正直ぬるい。
迫力とは無縁でメルヘンチックなもので
ミサイルが飛んできても、「あっ鳥が飛んでるな・・・」
ぐらいの感じでしかなくてミサイル自体の作画も
子供向けの作風の中、落書きみたいな感じで描かれているので
ぬるさが特徴的ですね。
敵を倒すとお菓子になる設定もあったりで
徹底的にぬるさを追及していました。
ただこのぬるさは悪くはありません。
徹底すると不思議と世界観に浸れる良さがありました。
この世界観はクセになる。
バトルは工夫して戦ってはいて理由付けがないわけではないけど
なぜ勝てたかの描写もぬるいです。
説明はされているのだけど、それで勝てちゃうんだ?でしたね。
この作風だから許される描写でした。
舞台説明は丁寧かな、事情を知るキャラが出てきて
この宇宙人が元々は文化を持っていなくて、文化を生み出す力もなくて
他の星の文化を奪ってきて成長しきたと説明してくれて
内容はわかりやすいので付いて行きやすいです。
そして宇宙人の目的は人類の殲滅ではなくて、文化を奪うだけという設定も
斬新なので面白そうな設定だと思いました。
ただし、文化がないのによく他の星まで侵攻することが出来たな・・・と
気になる点もありました。
想像する力がなくて、他人の能力に頼っている宇宙人てことなんでしょうね。
そして女子高生3人は、この宇宙人が使いこなせなかった
想像することで色々具現化することが出来るアマツマラを使い
変身して戦うものでした。
構図としては「自分で想像が出来る地球人」VS「自分で想像が出来ず、他人から奪いことしか出来ない宇宙人」
となってました。
ストーリーはゆったりとして色々説明しながら進むので
わかりやすいです。
例えばバリアが出てくるのですが、この説明も丁寧だし
触ると危険かも?と考えたり石を投げてバリアがどういうものなのかを
じかに検証したり視聴者的にわかりやすく伝えてました。
この丁寧さは感心出来る。
それ以外でもあるキャラが言ったことを別のキャラが
それはそういうことだと改めて詳しく説明してくることがあったりで
わかりやすいので視聴者がアニメ内のキャラと一体感が持てるものとなってました。
このおかげでストーリーに吸い込まれるよな感覚になりましたね。
キャラクター描写は丁寧ですね。
クレープを売っているサブキャラがいるのですが
こういったキャラもなぜ、こんな非常時にクレープを売っているのかを
説明してくれたり、視聴者になぜそういう行動をしているのかと
納得の出来る描写が出来ていてキャラに共感しやすかったし
世界がピンチの時に主人公以外のキャラの描写をすることにより
説得力のある世界観の描写が出来ていました。
メインの女子高生3人の心理描写も丁寧ですね。
心に悩みを抱えている子がいるのですが悩みの部分は描けていたし
気持ちは伝わってきました。
そんな女の子を励まして友情にもなっていたりするので
素直にこの3人の関係性はいいなっ・・・て思えましたね。
悩みの部分もこの作品のテーマになっている想像したりクリエイティブな部分からは
ブレはなくて割合しっかりしたテーマ作りは出来ていました。
と6話ぐらいまでは純粋に楽しめた。
ただその後が急にシリアスになってビックリしました。
ギャップ的な狙いがあるのはわかりますが
6話までの世界観というか作風の雰囲気の良さが消えて暗くなりましたね。
6話までは独特の世界観の中で励ましたりいい話になってたのに
精神攻撃などでいわゆる邪道系アニメになっていたのでキツかったな
しかしながらストーリー自体は悪くはなかったです。
この宇宙人の謎が判明したり
この世界の秘密がわかってくると、そういうことだったのか・・・
とわかる作りになっていたので1話からのストーリー展開はテキトーではなくて
実は計算されて作らていたのか・・・実感出来るものとなってました。
ストーリーの構成も1クールアニメと考えるとその尺を上手く使っていて
起承転結をしっかりと感じ取れるものとなっているので
ストーリーそのものは良かったと思う。
宇宙人自身も最初は想像したりすることは出来なかったけど
主人公側の3人の女の子を見ている内に影響されて
自分は実は出来ないのではなくて、しなかったと気付いて
段々と成長というか心の変化がみられて
その描写も丁寧なので悪くはなかったし
宇宙人も想像して創造するという展開も描けていて感心してしまいました。
最後の方はシリアスさも消えてこのアニメの持ち味である「ゆるさ」も
戻ってきて雰囲気や作風も楽しめました。
色々な謎やこの世界の仕組みも放置てわけではないし
序盤都合がいいなと思ったシーンも実は伏線になっていて考えられているので
終わってみるとコンパクトではあるがまとまってました。
キャラ自体も出てくる人数は少なかったおかげで1人1人が尺不足に
なることがなく役割もしっかりしていたし、それも良かった。
声優さんについては「りと」役の方はあまり上手くはないかなと思いました。
基本的には問題はないのですが叫び声や感情的な場面で時より
発音に違和感があることがあったので気になりました。
作風にはあっている演技ではあるのですが・・・
ギリギリ及第点て所ですかね。
他の役の方は問題はなくて普通に演技されてました。
まとめると独特な作画とクセになるゆるい作風は楽しめました。
それを徹底することにより独特の世界観を作りだしてそれが良い。
説明も丁寧だし、キャラクターの心理描写も丁寧でした。
途中からはシリアスになりますがストーリー
そのものはしっかりしていましたし、テーマも描けていてまとまっていました。
ぬるい作風やシリアスな要素は人を選ぶこと間違いないとは思いますが
その作風が合う人なら
最後まで観ると面白かったな・・・と思えるアニメではないでしょうか
劇中曲も雰囲気に合ったとても良い曲でしたし私は好きでした。