Dave さんの感想・評価
2.4
物語 : 2.0
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
壮大な舞台装置の上で、文科系ウジウジをこじんまりと
1.ウジウジ系ストーリー
【花咲くいろは】や【凪のあすから】のようなダイナミズムは感じられず、ウジウジ系でテンポ悪め。舞台も写真・美術部ってことで、登場人物も作風もいかにも文科系サークルって感じです。
好き嫌いのわかれるところかもしれませんが、あーでもない、こーでもないと内面を掘り下げるより、エンジン大きくパワーでぼんぼる体育会系のノリの方が、私は爽快感があって好きです。
2. キャラ立ち悪し
萌え系を避けたかったのかもしれないけど、目が離れていて不細工に感じました。人物画は「京アニ」や今期だと「青春豚野郎」「SAO」「とある」には大きく水をあけられている様子。
それより問題は、登場人物が比較的多い割にはキャラ立ちが悪いこと。顔が似てるからかな?年齢がうんと違ったり、キャラクターにもう少し個性があれば混同しないんだけど、どうも「普通の」「文科系らしい」高校生で構成されているので、誰だっけ?と。周辺キャラの内面の掘り下げが浅いので、肩入れできないのも原因かも。さすがにメインキャラクターはわかるけど、サブキャラになると名前はおろか、どういう属性だったかも思い出せず。こんなに人数出す必要があったんだろうか?
3. 背景がメインになってないか?
背景画に自信があるのはいいんだけど、本作はそれに頼り切っている印象。PA Worksの良さは、しっかりとしたストーリーに背景で彩を添えることで、これでは本末転倒では?やなぎなぎのEDもすごくいいはずだけど、これもストーリーが魅力的であればこそ。だんだんイマイチに思えてきました。
4. おばあちゃん設定はいいが
おばあちゃんと同級生ってすごく面白いアイディアだと思うのですが、果たしてそれをうまくムネアツ展開に持って行けるか。タイムトラベルという大仕掛けで始めたわりには、色が見える見えないというミクロなテーマに終始しているのが、どうもこじんまりとした印象を受けます。
今期(2018年4Q)は正直言って不作だった中では、相対的に高順位ではあるものの、過去のPA Worksの作品に比べるとあまり記憶に残らなさそう。
【以上、中間感想】
5. 三角関係とか、ほんとどうでもいいです…
魔法使ってタイムトラベルまでしたのに、扱う題材が恋愛とか陳腐過ぎませんか?これは私の年齢のせいか、それともぜんぜん肩入れできないキャラクターのせいか、誰が誰を好きで、だけど誰かは別の誰かを好きで…みたいな三角関係とかどうでもいいっす。そこは適当に内々でやっといてくれっていう・・・なんかSNSで恋愛の悩みとかウジウジ書いてる人がいるけど、そういう書き込みを見た時と同じような「知らんがな…」っていう冷めた気持ちになります。
6. 設定活かせず
魔法に加えてタイムスリップまで使ったのに、大した事件も起こらなければ盛り上がりもしない、タイムパラドックスや「ああ、あの時の!」といった仕掛けや伏線回収もない、なんともこじんまりとした地味なお話でした。特におばあちゃんと同級生という設定は、活かせば素晴らしい話になりえたのに、それもほぼ無駄にした印象。PA Worksと言えば「花咲くいろは」で孫と祖母の厳しくも暖かい愛情や信頼を描いただけに、無駄に期待してしまいました。
7. 結局、なんだったの?
登場人物の大半は60年後の世界でも生きているはずですが、そうしたストーリーも出てこないし、爺ちゃんだったかと思えばそうでもないし。更にお母さんを探すとか、誰のお墓なの?とか、そもそもなんで色が見えなかったの?とか、さして気になりもしないけど穴の多い話だなと思いました。
正直、PA Worksには期待していただけに、随分と駄作だったなあという最終的な感想です。