「電脳コイル(TVアニメ動画)」

総合得点
83.9
感想・評価
1969
棚に入れた
11179
ランキング
308
★★★★☆ 3.9 (1969)
物語
4.2
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

TimuTimu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

個人的には00年代屈指の面白さ

【内容】
 ある日大黒市立第三小学校へ転校してきた大人しめな容姿の小此木優子とその翌日に転校してきた一匹狼のように学校生活を送る天沢勇子が電脳世界を通じて送るSFホラーミステリーアニメです。

 当時は自分も同じ小学6年生でいまいち内容が理解できませんでした。
それもそのはず、世界観も、おもろポイントも、子供では中々理解し難い内容だからです。戦闘シーンもド派手ではないため、NHK作品の中でも子供に理解されにくく、また取っつきにくい作品ではないでしょうか。
 それではこの作品の魅力は何なのか、良い点悪い点も交えながら感想を書きたいと思います。

【良い点】
・それぞれのキャラに葛藤がある
 この作品は2クール構成のため十分キャラクターの深堀が可能となります。やはり子供を題材とするアニメはその時期特有の葛藤が非常に重要な部分を担うわけです(例:無限のリヴァイアス、月がきれいなどetc)。ここがしっかり描写されていないと作品に深みが出ず、大人も楽しめない作品になります。その点でいうと電脳コイルは良く表現されていると思います。
 そこで最も注目してほしいキャラはダイチです。素直になれない鼻たれ小僧ですがこのキャラにも様々な葛藤があって、また可愛げがあり本当は・・・これ以上書き連ねると話が長くなるので本編を見てください。


・布石や伏線を丁寧に教えてくれる
 エヴァ〇ゲリオ〇や魔法少女ま〇か☆マ〇カのようなアニメは本編で小ネタや伏線を教えてくれませんが、この作品はとても丁寧に教えてくれます。これが案外すごく助かる。一々ネットで調べる必要もなく時間が無い人にとってはとてもありがたいです。


・オチがなんとなく分かっていてもワクワクする
 .hack//を見ている方ならわかると思うんですが、電脳・ネット世界における"未帰還者"という設定はものすごく世界観を不透明にし、視聴者に緊張感と「この先どうなるのか知りたい」という視聴意欲を与えます(.hack//rootsを除く)。
 電脳コイルもオチはなんとなくわかるんですが、上記に十分当てはまるでしょう。

【悪い点】
・ご都合主義
 「んなわけあるかよ」って展開が多々あります。仕方がない、NHK教育番組だもの。

・終盤から「あっちの世界」への価値観が下がる
 例えるなら初めて悟空がスーパーサイヤ人化した時とスーパーサイヤ人3が出てきたときくらいのテンションの差です。

・関係なさそうな小ネタ話をガチで本編に取り入れていく。
 途中からすごく哲学で教養な問題に問いかけてきますが仕方がない、NHK教育番組だもの。

・オチがすごく分かりやすい
 ストーリーがシンプルすぎて1クール見れば物語の7~8割分かる。猿でもビックリ。

・ {netabare}OP {/netabare}だけは見すぎないほうがいい
 この部分だけは僕と約束してください。


【総評】
 この作品を一言で表すことはできませんが、「SF×少年少女の葛藤」は素晴らしい作品を生み出すと改めて再認識しました。
もしかすると僕は只々目の前の1日を楽しむ為だけに生きている子供のようになりたいと願っているのかもしれませんね。つまり毎日小学校に通ってからプールを楽しむ子供や一人で帰宅する女の子を遠くから眺めていれば子供になれる可能性が微レ存・・・?

とにかく00年代の中で5本の指に入る作品なので是非視聴してみてください。

投稿 : 2018/11/22
閲覧 : 391
サンキュー:

8

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