コマキノ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
3分アニメ界のエベレスト
原作未読。レンタルで一気見。2期未視聴。3期はリアタイで視聴
{netabare}
2013年冬アニメ
内気でインドアな主人公のあおいが幼馴染のひなたとの再会をきっかけに登山と触れ合い、その成長を描いたストーリーアニメ
時間の制約が厳しい3分アニメにおいて最も重要なポイントはいかにテンポ良くストーリーを展開させるかにあると思っています
本編ではひなたとの出会い、展覧山、道具選びからの高尾山と話が進むごとにハードルを上げていくストーリー構成が良いですね。山、人々との触れ合いにおいてコミュニケーション能力、ひなたとの友情、礼儀作法を身に着けていく彼女の成長過程が、自身の登山スキルの上昇とマッチし物語に流れを生み出しています
1話1話それぞれのストーリーを見ても余分な場面や説明不足な点は見られません。話の流れも早すぎず、かつポンポンと進んでいくストーリー構成には爽快感を感じました
お気に入りのタイトルは3話の展覧山
ひなたと共に展覧山に登ることに。荷造りからランチの調理、展覧山の概要と実際の登山、ランチを食べながらの飯能市の景色。ED。これが大まかな話の流れです。
この中にもあおいの高所恐怖症キャラ、キノコにトカゲと自然を堪能、ひなたへ綺麗な方のサンドイッチを渡すあおいの内情、富士山の登山への行く末を匂わせる演出等山盛りのストーリー内容。
これをカップラーメンの待ち時間と同じ3分に詰め込み、かつ面白いものに仕上げるというのは並大抵の技術では出来ないことだと感じました
制作陣の努力とセンスを感じたお気に入りの場面です
全体を通して場面場面をしっかり捉え、作品の持つ魅力を短い時間に詰め込む能力にたけた、作品としての質の高さを感じました
細かいところで1つだけ課題点をいうなら、制作陣の伝えたいメッセージがあまりに直接的に出てしまっているところにあると思います。制作側のメッセージをあおいの口からそっくりそのまま出してしまうことで、視聴者側がこのシーンは制作陣のこういうメッセージが含まれているんだなと自然に考えさせられる余地がなく、シーン1つ1つののめり込みが少し浅いものになってしまっていたと思います。
もう少しメッセージ性はオブラートに包んだ方が良かったとは思うのですが、どうしても3分アニメという制約があるため、そこにおいては限界的なものがあったと感じました
{/netabare}
1話3分という制約の中、やれることを100%発揮した良作でした