たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
虚淵玄独特のやはり「ループもの」
押井守監督と同じく、虚淵さんは自身が持つ同じ主題を繰り返し行うタイプの作家らしい。正直言ってエンターティナーではない。
この東宝やNETFLIXの無茶振りとも言える「ゴジラ」のアニメ映画化を苦心して脚本し、構成した気苦労が見え隠れする。
とにかく話に整合性を持っていこうするあまり、アニメ的な躍動感やカタルシスが皆無であり、やたら設定や説明の応酬。正直言ってデートムービーなどにはまったくもって適さない。
あとは「まどかマギカ」の時と同じく、アーサーCクラークのSF小説的な人類の終焉とその先に待つシステム構造。ある登場人物の語る「十分に発達した科学は魔法と見分けが付かない」といった引用など、ハリウッド系SF映画のどこかで見たような内容で目新しさもありません。
そういった虚淵さんの主観の「ループ構造」が好き嫌いをハッキリ分け、間口を狭くしていることが最大の問題かと思います。
ラストの人類の最初の原罪の一つである「火」の描写もそうですが、批判する前にもう少しポジティブさと、どうすれば現代人はそういった「ループ構造」から抜け出すことができるのかを考えるのが作家の役目ではないでしょうか。
あまりにも投げっぱなし過ぎて観ていて辟易しました。