岬ヶ丘 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
記憶を保ったまま最初から見たいアニメ
良作アニメの評価で「記憶を消して最初から見たいアニメ」という表現があるが、本作の場合「記憶を保ったまま最初から見たいアニメ」の方が適切だと思う。この複雑で緻密な作品は一度見ただけでは堪能できず、記憶を失って最初から見てもまた同じことの繰り返しになりそうだから。
その意味では岡部のリーディングシュタイナーのように、以前の記憶を保ったままもう一度見る(要するに2周)するのがベストだと思う。
見終わった感想としては「よくこんな内容を考えたな」というのと「よくアニメ2クールに落とし込んだな」という2点。
実際のネットスラングを絡めた面白いタイムリープ設定。過去改変を繰り返した結果まゆりを死の運命から救うため、β世界線に戻る過程で、ラボメンの各キャラクターとのエピソードをを綺麗に回収して描いている。最終的にまゆりと紅莉栖どちらを助けるのかの二者択一を迫られるジレンマ構成も面白い。
また声優さんにとっても難しい作品だったと思うが、特に岡部・ダルを演じた宮野・関さんのお芝居が素晴らしかった。ゲーム版は未プレイだが、そちらにも興味が湧いた。
もちろん名作だとは感じたが、少し気になる点も。最近はスマホやSNSが盛んで、携帯電話でメールする機会も少なくなった。携帯電話を使っているキャラクターの姿にやや時代の流れは感じた。ポケベル云々については最近の10代が見たら何だそれは?という感じだと思う。
前評判通りタームリープものでは最高峰という評価は理解できる。ただ1周目はギミック中心の視点で見てしまったせいか、キャラクターの感情面まではあまり追えず・・・。2周目ではキャラクターの感情面に注目して見てみたい。
視聴日 18/11/10