退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
方向性と人物描写の希薄が惜しい点
「頭を空っぽにしてノリで楽しむ」
「哲学的に考察して楽しむ」
という2つのラインを行ったり来たりで結局、境界線が曖昧で中途半端になった印象。
その結果、最終回も一応、大まかにはまとめているが、どこか到着点がフワフワした感覚に襲われた。
関連作品を引き合いに出すが、『天元突破グレンラガン』のように終始熱いノリを貫き、良い意味でストーリーを大雑把にするか、『新世紀エヴァンゲリオン』のように幾重にも謎を重ねて、考察が好みのファンを唸らせる作品にするべきだったのかなと感じた。要するに方向性をはっきりさせるべきだった。
良質なキャラクターデザインのお陰で、今期の数あるアニメヒロインの中でもトップクラスの人気を誇った本作のダブルヒロインだが、内面やストーリーにおける立ち位置を満足に描けてたかは少し疑問が残る。特に最大の敵とも言える立ち位置のヒロインの子は、現実世界と隔たりを持ち、いくら仮想世界とは言え、気に食わない他人の生命を蔑ろにする傍若無人な行いをしていた。本作のテーマには、そんな孤独なヒロインを救うというものが含まれているが、いまいち感情移入できない。もう片方のヒロインは仮想世界の作られたキャラなので、奥に踏み込んだ人物描写が難しいのは仕方がないが、前者の方はサービスシーンばっかやってないで、もう少し丁寧に人物描写するべきだった。
とは言え、特撮、ロボアニメファンを喜ばす演出や作画は高評価だ。作画も乱れず、背景も凝っており、CGも違和感が無い。キャラも内面描写は足りないながらも、キャラとしては皆、立っているし、何より本作のヒロイン2人が、今期のアニメの話題の中心の一部だったのも事実で、それは見事とも言える。痒い所に手が届かない惜しい作品だったかな。