しゅりー さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
距離感の描き方
あfろ先生原作のコミックをC-Stationが制作。
京極義昭監督の初監督作品とのことでした。
2018年冬アニメの中でもとびきり話題性に富んだアニメでした。
このアニメの影響でキャンプやアウトドアの関心が高まり
特定のアウトドア用品やビーノが飛ぶように売れました。
2018年11月現在もリンちゃんの使用していたテント
モンベルのムーンライト3は品薄状態が続いているのだとか。
無邪気でいっぱい食べる子:なでしこが本栖湖でソロキャン少女:リンちゃんと
出会ったところから描かれる少女たちのアウトドアライフなアニメです。
上記主人公二人と野外活動サークル(野クル)の2人や斉藤さんを
中心に描かれるのですが、最初は面識があるかないか程度だった
各キャラクターが皆しっかり仲良くなるまでは...描かれないのが良いところです。
いえ、皆でキャンプに行くまでの仲にはなるのですが
各々とてもわきまえた距離感を持って交流を深めていくのが
ある意味大人な接し方で素晴らしいのです。
リンちゃんは基本ソロでの活動を尊んでますし、
斉藤さんは誘われても簡単には野クルには加入しない。
そしてそんな二人と仲良くしていても無理に誘わないなでしこや
うざい絡み方をしても行き過ぎたことはしない千明、
フラットな接し方を崩さないあおいという関係性が
1クール目のアニメとしてなかなかバランスが良い描写に感じました。
ちなみに鳥羽先生みたいな大人にも何だか親近感が湧いて
「ああ、こういう人いるよね」と微笑ましいです。
原作はまだまだ続いておりますので、既に決定している2期で
どういった距離感に変化していくのかなどを想像して振り返るのも面白いです。
そういう意味では最終話のラストで描かれた微妙にアニメオリジナルな描写が
なんとも原作のイメージを補完していて必見です。
スタッフの方々で確認が必要な内容を京極監督が丁寧にあfろ先生に
確認しながら制作されていたとの話を聞きますし、
原作を大事にしながらアニメならではの描き方ができている良いアニメと感じます。
アウトドアのハウツーになるのはもちろん
とても上記の関係性や描かれる風景、物語に癒されるので
日々の憩いにおススメのアニメです。
以下アニメと関係のない戯言
山登りの先輩とゆるキャン△の話をした際、
なでしことリンちゃんでは「充電の仕方」が違うということを話して
心底納得がいきました。
なでしこは「みんなといることが楽しいし充電にもなるタイプ」で
リンちゃんは「みんなといるのは楽しいけど電源は減るから一人で充電するタイプ」と
その時は話していました。
私はこうしてSNSに何かを書き込むだけで疲れてしまうので
一人で黙ってあちこち放浪しているため、そういう意味でリンちゃんに共感してます。
よく周りに「友達がいないから一人で行ってるんでしょ(笑)」とか
「一人で出かけて楽しい?」など心無いことを言われて(友達が少ないのは事実ですが)
凹んでいましたが、一人の時間の大切さもあるんだという価値観が
世の中に広まってくれたら嬉しいですね。
それにしてもリンちゃんはなかなか気合入ったことやってますが...
夜叉神峠とか免許取り立ての高校生が一人で運転して行くのは本当に尊敬します。