Dave さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
世界よ、これが日本の擬人化だ!
圧倒的に面白い。数ある擬人化の中でも、最高傑作と言っていいんじゃないでしょうか。
かつてトレイラーを見た時点で、「細胞の擬人化?なんじゃそれ!面白そう!」と視聴を開始して、すぐに家族全員で見るようになりました。
1. 菌の擬人化という素地のあった日本
昔から、小さい子に歯磨きの大切さを教えるためにミュータンス菌を擬人化したり、手洗いの推奨のためにばい菌を擬人化したキャラがポスターに登場したりと、その素地は日本にあったのでしょう(※日本では当たり前のことに思いますが、実は海外ではあまり【菌の擬人化】って見たことないです)が、現代日本のアニメが本気で擬人化に取り組んだらこうなりました、というような作品。
2. Eテレ向け国民的アニメ
物語自体も文句なく面白いうえに、ある程度医学的な根拠があったり、かつての擬人化啓蒙キャンペーンと同様、わかりやすく子供や一般人に体内の機序を教えている「役立つアニメ」でもあったりします。細菌やウィルスとの戦闘シーンがそれなりに過激と言うか、迫力があるというのはその通りですが、アニメによくあるエロや過度のグロもなく、ジメっとした陰湿さも下品さのかけらもない、まさにEテレで放送すべきなんじゃないかという教育的にも良作でした。
小学生の娘が、肌荒れで皮膚科に行ったら「ブドウ球菌が…」とお医者さんから説明され、「皮膚の常在菌ね」って返してお医者さんが目を丸くされてました。
3. きちんとキャラを際立たせる秀逸
それなりの数のキャラクターが登場するのに、衣装や役割、さりげない説明と声優さんの能力できちっとキャラ分けしてあり、実はこれはすごいことだと思います。(酷い作品だと、わずか4~5人でも誰だっけ?となる)普通はある程度の人数が出てくると、食傷気味になってもうこれ以上は…と思うのですが、もし続編ができるなら、ぜひもっと沢山の細胞や細菌を見てみたいと思うのでした。
4. 原作・スピンオフも読んでみました
あまりの面白さにアニメ視聴後に原作まんがやスピンオフまんがも読みましたが、「はたらく細胞ブラックも」面白い。まさに「大人向けの大人の細胞」です。こちらは流石にEテレには向いていないと思うけど、飲酒や喫煙などについて、おせっかいにパッケージに警告文を載せたりグロい写真を載せるよりも、よっぽど効果的なんじゃないかと思いますね。ついでに紹介すると、「はたらく細菌」はまあまあ、「働かない細胞」は舞台設定を借りただけのタイトル詐欺のようなつまらなさでした。