北山アキ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ただの勧善懲悪チャンバラではない
特撮ヒーローものの知識ないけど面白い。
最後まで観て
{netabare}寝ているときに自分が見ている夢は、自分の望むとおりには展開してくれない。
それを事実として受け入れ、幼念期特有?の全能感とお別れすることが救いかどうかは分からないけれど、アカネに特有の事情からの救済ではなく、万人に共通の事情からの救済の物語であった、ということだな。
自己認識を「世界」から「個体」へと修正しても、自分と世界との間の対立が解消されるわけではないから、それを「救済」として受け入れるかどうかは個々人の受け止めかた次第だけど。{/netabare}
とにかく戦闘描写以外の日常のもどかしさが充満する空気感が魅力的な作品だった。
各話放送後の期間限定配信のボイスドラマも面白かった。
4話まで観て
変わらない平和な日常という幻想にしがみついているのに時折そこに影をさす不安感や閉塞感を拭いきれず非日常による打開を期待する、みたいな心理状態になることはわりと普通だと思う。
そんなときほど、自分だけが他人と違っているんじゃないかとか、自分が世界の中心なんじゃないかとか考えがちになる。
怪獣とグリッドマンという記号を通して、そういう日常と非日常の間にある自我の微妙なバランスを拾い上げて、絶妙な空気感でまとめ上げているところに魅力がある。