こまたち さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
逆シャアにつぐ続編映画の最高傑作
2010年公開。ガンダム00の続編映画
イオリアの計画第三段階、すなわち「来たるべき対話」を描いた本作。ガンダムとしてはおそらく初めて人間以外の知的生命体との戦いが繰り広げられた。敵の呼称はELS。このELS、性質は「他の生命体と融合することで相互理解を図ろうとする」というもの。ぶっちゃけスカブ・コーラルの亜種ですね。私と本作との出会いは実はスーパーロボット大戦が初。そこから逆輸入される形で視聴しました。「ELSは人類と対話するために人類のマネをして攻撃をしかけてきている」という説明がスパロボにはあったと記憶していましたが、本作では全く説明されていなかったですね。ただELSの行動原理の解釈としてはその通りなんだろうな。総評が長くなってしまいましたが、結論としては何とも言えない歯切れの悪い終わり方をしたTVシリーズをきっつりと完結させた本作は続編映画としては非常にできの良いものでした。以下、ポイントをわけてレビューしていきます。
【評価】
・ラストの黄色い花の意味は「平和」だそうです。TVシリーズからあの花は平和の象徴として演出に使われていたようです。確かに言われてみればそうなんですけど、非常に分かりにくい。一体そのメッセージをきちんと文字化して受け取れた人は何人いたのだろうか。私も他のレビューサイトで知るまでは全くもって意味が分からなかったです。ただ別に分からなくたって構わないんです。大事なのはそこじゃない。戦争の中で生き、戦いしか方法を知らなかった刹那が最後に選んだ道が対話。そしてその対話の結果があの大きな黄色の花。このシーンを見て私は胸にたくさんの想いが込みあげてきました。月並みな表現をすればそれは感動ですが、必ずしも言葉になるものだけではない。シリーズを追いかけてきた私としてはあのシーンは映画の終わりにふさわしいものと感じました。ここをどう評価するかが賛否の別れ目であるとも思います。
・後半のアンドレイの自爆シーンから涙が止まりませんでした。アンドレイの”父”と母の目指した軍人になるというセリフが全力で泣かせにきてる。父が彼の目指す軍人となっているのが非常に感慨深いですね。シリーズ2期で父を殺すシーンはさすがに胸糞が過ぎるが、それでもこの人物に対する最終好感度は高かったです。そしてそのあとのグラハムの特攻シーンー。言うまでもなく最高にCOOL。『コードギアス』二期でオレンジ君の好感度がうなぎのぼりしたように、グラハムも化けましたね。そんな中、やはり今回もちゃっかり生き残るコーラサワー(笑)本当いいキャラしてる。
・アフターでのマリナと刹那が再開を果たすシーン。私個人としてはここが最も感極まりした。今思い出しても泣いてしまいそうです。ようやくわかり合えた。ここまでが本当に長かった。一緒に生きていける時間は少ないだろが、二人には末永く幸せでいて欲しい。二期のレビューで刹那の幸せはどこにあるのだろうか?なんて考えていたがこんなすぐ近くにあったのですね。
【批判】
ネーナ生きてたの?えっ?ってなったのは私だけではないはず。ネーナとビリーがくっついちゃうのもなんだかなぁと。加えて、フェルトは一体何があった?なんであんなに刹那にべたべたなんだろうか。細かい点だが気になるんだよなぁ。「黄色い花」の演出のための仕掛けだとしたら、二期のレビューでも言った通りあれはマリナが渡すのが適任。本作でも二期に感じたフェルトへの疑問は解決されず、本作の少ないマイナスポイントのひとつとなってしまいました。
以上
一言:アンドレイが死亡した(?)ときには涙を流したが、きっとハサウェイが同じ状況におかれたら拍手喝采だろうな。この違いは一体・・・