こまたち さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
刹那とマリナの道は未だ交わらぬまま・・・
2008年放送。ガンダム00の第二期
全25話
※2ndシーズンのみのレビューです
どこかのサイトで「ファーストへの挑戦」というレビューを見たがまさしくそんな感じでしたね。00ガンダムが見せたGN粒子の光は逆シャアでvガンダムが見せたサイコフレームの光そのもの。その他アロウズ=ティターンズや0ガンダム=初代ガンダムなど、諸所にファーストおよぼZや逆シャアへのオマージュが込められています。ラストのリボーンズと刹那の会話は逆シャアでのシャアとアムロの会話を彷彿とさせられます。ガンダムXとはまた別の形でU.C.ガンダムに切り込んだ作品です。以下、ポイントを分けてレビューしていきます。
【評価】
・アナザーガンダムの魅力って良くも悪くも「主人公がニュータイプではない」というところにあると個人的には感じていました。本作は新世代への開拓を意図しているにも関わらず、結局のところ源流回帰してしまったのが私としてはいただけない。一期で超能力をあまり匂わせていなかったぶん、余計にそう感じてしまいます。ニュータイプ=イノベイターみたいなもんですからね。ただ、さすがに現代テイストのガンダム。刹那の変化は理性で理解できる範疇を超えてはいるが刹那自身については理解できる。共感がもてる。それ故に感情移入もできる。ここを私としては最大限に評価したい。
・刹那の変革のヒントはまず最初はマリナと子供たちの歌がもたらし、そして確信はブシドーがもたらした。ひょっとすると最初は00ライザー初起動時だったかもしれないが。ともかく刹那が未来や人と人とが分かり合える道をマリナに見出いしたということが、シリーズを通してみてきたものとしてはとても感慨深い。やはりこのふたりの関係好きだなぁと。恋慕ではなく、大切な友人として互いを想いあっているという感じがね。最後のマリナの手紙も実に素敵。書き始めは一期の刹那の手紙への返答。そして、刹那自身に幸せになってもらいたいという気持ちが溢れんばかりに伝わってきました。このシーンはすごく考えさせられましたね。一体刹那の幸せはどこにあるのだと。
・本作最大の魅力はラストの決戦シーンに詰まっています。刹那の見つけた答えは「未来を切り拓くために戦」い、そしてそのために「自分自身が変革をしなければならない」というもの。これって刹那だけでなくソレスタルビーイング全員の意志ですよね。そしてその戦いでGN粒子が見せた光は「人と人が分かり合える」ということを刹那に直観させた。だけど刹那が選んだ道は戦い。ロックオンがサーシェスを撃つシーンはそんな複雑な気持ちを体現していたように思います。「人と人とは分かり合える。ただ分かり合えない人もいる」と。だからこそマリナの手紙に書いてあった「想いは同じはずなのにどうして私たちはどうしてわかり合えないのか」という言葉がとても悲しいものに感じました。それにあのラストだと切ないというかなんというか。シリーズの終わりとしてはなんともむず痒いものに感じていました。
【批判】
・フェルトが刹那に急にデレ始めるのが不可思議でならない。刹那だけに声をかけて、花を渡すってつまりそういうことでしょ。あの花を演出に使いたかったのは分かる。ただ、あれはマリナから贈られるべきもの。個人的にはあのシーンが演出のための後付けにしか思えなかったです。
以上
一言:シャアは人間に絶望していた。リボーンズは人間にはなから期待して いなかった。彼らの違いは自身が人間であったか否かに集約される。