こまたち さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
刹那とマリナのあの絶妙な関係が好き
2007年放送。00シリーズの第一期目
全25話
※一期(=ファースト・シーズン)のみのレビューです
今までのガンダムが戦争を”する”ガンダムだとすれば、本作は戦争を”考える”ガンダムです。というわけで主となる視点(=主人公)が複数あり、それぞれの立場から戦争と向き合い、そして考え続けていきます。これが本作の最大の魅力かと思います。また主人公格だけではなく、サブレギュラーキャラにも魅力的な人物が多く、そのキャラたちの”物語”としても十分に楽しめました。作画面に関しては高品質そのもの。この年代ではトップクラスかと。総評すると、様々な人物が各々の立場で戦争と真剣に向き合っていく姿に感動を覚える作品であり、また最高峰の作画で戦闘の緊張感や迫力を存分に楽しめるロボットアニメでした。以下、ポイントを分けてレビューしていきます。
【物語】
・本作における最大の功労は沙慈視点を作品の中に取り入れたこと。この沙慈とルイスが織りなす日常パートに対する批判もよく目にします。が、しかし。やはり必要不可欠と言わざるを得ない。砂漠の中にあるオアシスのように、見ていると少しほっこりとした気持ちになるんですよね。作品のテーマが戦争であったり、テロであったりするので。シリアス一辺倒も嫌いではないですが、こういうのがあっても良いですよね。それにテロに壊される日常を演出することはこの作品には必要だったと思います。どんな高尚な理念を掲げていようとソレスタルビーイングがやっていたことはただのテロ行為ですからね。平和な日常に生きる人々にはたまったもんじゃない。そんな「日本人代表」のような沙慈の気持ちには深く共感しました。最終話近くで沙慈がガンダムに憎悪を募らせるシーンは涙せずには見られませんでした。
・一期だけ見てもわかる通りガンダム00は刹那の物語です。刹那がガンダムと紛争を通じてどういう答えを出すかに注目して見続けていました。物語序盤で「俺がガンダムだ」と言い放ったときには、ロックオンと同様に「は?」となりましたが、それも最初のうちだけ。物語終盤にこのセリフを思い返すと、しっかりと刹那に感情移入できるのが不思議でならない。きっと刹那が戦争を憎む気持ちや刹那のガンダムに対する想いに知らず知らずのうちに共感できていたのでしょうね。彼に対する共感の気持ちが初めて芽生えたのは8話だったかな。マリナとの運命の出会い。彼女との会話で刹那が言ったセリフは「話し合っている間に人は死ぬ」、そしてとどめに「クルジスを滅ぼしたのはアザディスタンだ」ですからね。これを言われたマリナはもちろんキツイだろうが、これを言った刹那の気持ちも痛いほど伝わってくる。どちらに感情移入していたかは分からないが、このシーンは今でも忘れられないくらい心にグッときました。
【キャラ】
メイン・サブ問わず魅力の宝庫です。お気に入りはコーラサワー。あいつ好きだわ。やはり私は惚れた女性に真っすぐな男が好きみたい。ただ今回はそれだけではなく、あの不死身さやお調子者なところにも好感が持てました。ガンダムにおけるネタキャラの立ち位置としては絶妙でしたね。
【作画】
この年代では頭一つとびぬけています。特にトランザム発動シーンは圧巻。ただひたすら画に魅せられました。
【批判】
スメラギさんの作戦に異を唱えたくなる場面がちらほら。なんというかガンダムに頼りすぎなんですよね。ガンダムを用いた奇襲作戦は得意なんだけど、トレミーが戦闘に巻き込まれるととたんにミスを連発する。防衛と逃げがとにかく苦手。でもそれも仕方ないのかな。武力介入を遂行するためにヴェーダに選ばれたわけだし、トレミーへ攻撃されることはあまり想定されてなかったんじゃないのかなと。それに一期のトレミーは武装つんでないですからね。仕方ないといえば仕方ないのだが…。ただナドレをさらしたのも、ロックオンが死んだのもほぼ彼女の判断ミスが原因だからなぁ。色々言いたくもなる。
以上
一言:コーナーの乗ってた金ぴかのモビルスーツダサくない?
爆丸とかトランスフォーマーのおもちゃみたいな造形してたな