oxPGx85958 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
歴史的関心のみ
昔、マンガやアニメのことがよくわかっていなかった頃、「セカイ系」という言葉がその界隈から漏れ聞こえてきて、タイトルだけは知っていた作品。原作の小説はいまだ読んでいませんが、今回、アニメに手を出してみました。アニメは13年前の作品で、何世代も前の作品という印象だけど、中心人物を演じている浪川大輔、野中藍、神谷浩史あたりは私にもなじみがある名前で、完全に断絶しているというわけではありませんでした。
これをいま見て思うのは、この感じはいまのアニメ界ではたしかに廃れている、ということですね。「こういのが恥ずかしい」という感覚が一般的になって、いろいろと予防線を張ったり言い訳を用意したりしているように見えます。これは私の見ている作品が偏っているからかもしれませんが。
物語のあり方とか構造とか語り口など、個々の要素はいずれも普遍的なものだからなくなってはいないんだけど、全部が揃うと恥ずかしい。そんな感じなのかな。世界を救う話をするのなら、もっと露悪的にやる。語り口をロウキーにするのなら世界を救うような大きな話にしない。
などなど、いろいろと考えるきっかけになりました。作品自体は中途半端に古くて、あまりまじめに見ていられない。リアリズムが必要なタイプの作品だが、アニメとしての表現がそれに応えられていない。これは特に2018年に見たから、という理由もあるでしょう。製作当時はもうちょっと現実味が感じられたのかもしれません。