oxPGx85958 さんの感想・評価
2.3
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
続編に期待
最後まで見ての感想。
当初の危惧どおりの壊滅的な脚本でした。魔法やタイムトラベルといったギミックと高校生の初恋物語がいい相乗効果をまったく生み出していないこともあって、何を語りたいのかが最後までよくわからないまま終わったという印象。
なお、個人的に一番不満だったのは、「琥珀が瞳美を過去に送り出すことになった経緯」が最後までわからなかったことです。この部分がこの物語の最大の謎だから、これが最後に明かされ、そこに感動がある、という仕掛けなんだと思っていたら、結局わからなかった。
最終話まで見なくても、本作が「壊れ物である瞳美が救済される物語」であることは予想できます。これはわざわざネタバレ・タグを付ける必要もないことでしょう。過去の琥珀もそのことに感づき、瞳美を救済するためにその時が来るまでに強力な時間魔法を習得しなくては、と腹を決めたりもする。
しかし、瞳美がどんな状態になるかを前もって知っていた琥珀は、なぜ彼女が15歳になるまで放置していたのだろうか? 最終話でその件について謝っているらしきセリフがありましたが、具体的に何をしたのか/しなかったのかについての言及は物語中で一切なかったように思います。
未来で謝っている琥珀は、自分が知らなかったが故の失敗について謝っているのではありません。自分が高校生のときからずっと知っていたことへの対策をせず、瞳美があんな状態になるまで放置していたことを謝っている、はずです。
琥珀にとって、瞳美があんな状態になるまで放置するどんな理由があったのでしょうか? あるいは、高校生のときから予期できていたことだったのにもかかわらず、何か不可抗力が働いたのでしょうか?
そして、こういったことについて、高校生の琥珀は、瞳美が自分のそばにいる間にどこまで考えたのでしょうか?
なお、瞳美がこういったことすべてについて何を考えているかはほんとによくわかりません。本作での描写の範囲からは「何も考えてない」としか言いようがない。意思ある主体として動いていない、物語中で他のキャラクターを動かすための装置に過ぎない。これは単に脚本家の能力不足なんだとは思いますが、そうでないならば、「精神に相当のダメージを負っている人」と解釈するしかないレベルです。
それならばなおさら、琥珀は「これはやばい!」と感じたはず。
なお、瞳美がああなった原因として物語中で示唆されているのは、{netabare}魔法が使えなかった母親との関係{/netabare}です。このことを瞳美本人がどれほど意識していたのか、またそれがどれほど(高校生の)琥珀と共有されたのかはわかりませんが、もし少しでも共有されたのだとしたら、琥珀はこれから{netabare}自分の孫を虐待して壊すことがわかっている娘を産んで育てる{/netabare}ことになるわけです。しかも、わざとそうなるように仕向ける、とまでは行かないにせよ、介入しない。
これって相当つらい人生です。この琥珀の人生を描く第2シーズンのための布石なんだったとしたら、この第1シーズンは大がかりなレッド・ヘリングとしてSFアニメ史に名を残すのではないかと思います(その第2シーズンがうまくできていれば、ですが)。
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3話まで見ての感想
きれいで優しい世界。そもそもの発想が創造的で興味深いし、いまの世界に来た後の展開も絶妙なさじ加減でセンス・オブ・ワンダーを感じさせます。いまのところ非常にいい作品なんだけど、P.A.Worksのオリジナル作品って物語が壊滅的なものばかりだし、3話までの範囲で壊滅しそうな箇所がいくつか見えるような気がして怖いというのはある。
絵を描く男の子が素晴らしいなと思ったら、『ようこそ実力至上主義の教室へ』の主人公を演じていた千葉翔也でした。