「Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)」

総合得点
85.0
感想・評価
1841
棚に入れた
10371
ランキング
258
★★★★☆ 3.9 (1841)
物語
4.0
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

ダレイオス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

1クール目は起承転結がしっかりした作りで良かったと思う。

主人公の高校生の男の子が親戚の家に居候する所から始まる開始
どこかは正確な場所はわからないが
冬の雪の多い地域の街を舞台にしたものとなっている。

まず観て思うことは2006年のアニメにしてはとても綺麗な作画ですね。
冬の雪の多い地域を舞台にしているのですが
風景の描写がとても丁寧に描かれています。
雪の山のデコボコの部分を1つ1つ丁寧に描いていて
それぞれのデコボコ部分の形が違っていて自然な山の描写が出来ていて
ここまで細かく描く必要があるのかな?と思ってしまう。
建物にしても、ありがちなコピーペイストしたようなものではなくて
建物によってデザインが違い。
窓の形も同じ建物でもそれぞれ微妙に違っていて
手描きで描いていることが伝わってきて
当時としては圧倒的な作画力のおかげで雪国の雰囲気の良さを演出しており
世界観に吸い込まれる感じになります。

そしてストーリーの進行はゆったりとしていました。
序盤は日常アニメのように日常を描写しながら
じっくりと楽しいひと時を描き
出てくる各ヒロインのキャラクター紹介みたいな感じで進んでいました。
出てくる各ヒロインはチョット性格が天然だな・・・と思えるぐらい
普通の人とは感覚がズレていて、ズレをボケにして
主人公との掛け合いをコメディーにしていましたね。
ボケている部分は可愛らしい女の子らしさが出ていて
ニンマリするぐらいの良さがあり楽しめました。
主人公はふざけたりいたずらしたりするものの根は常識人なので、きっちりとツッコミ役をこなしていて
ボケとツッコミはテンポがとても早いのでコメディーとして
楽しめるだけの心地よさがあり掛け合いは面白いです。
ネタ自体も誰でもわかりやすいので、難しくなかったのも良かったと思う。
ただ、各キャラの年齢にしては性格は抜けているかなと感じてしまう。

キャラクターの描写も丁寧ですね。いきなりいっぱいヒロインは出てくるのだけど
1人1人どういうキャラなのかがわかるぐらい
尺を使っていて、基本的に天然なキャラは多いのだけど
それだけでなくチョット乱暴な子だったり、元気のいい子だったり、ほんわかした子だったり
それぞれ個性のある部分があるので印象が残りやすく
やっていることは主人公と楽しく過ごしたり、ボケとツッコミのコメディーをしながら進み
さらに時には喧嘩をしたり、言い合いになったりもするので
その喧嘩や言い合いの部分があるからこそに最初はそれ程の仲でもなかったのに
段々仲が良くなっていってるな・・・と実感出来るものになっていました。
喧嘩や言い合い自体もギャグやコメディーになっているので
これ自体も嫌な気分とかにはならず楽しめたのは良かったです。
この進め方は心憎く、各ヒロインの魅力はとても伝わってきます。

ストーリー自体は中々進行しないので、序盤はそこまで内容があるって感じではないです。
引っかかる伏線や謎も結構引っ張ってるのでダラダラしているな・・・とは思いました。
コメディー自体は面白いのだけど、同じネタをかなり引っ張っているので
人によってはくどいな・・・と思うかもしれません。
同じネタを5回以上やっている気がします。

かなり引っ張ってから1クール目のヒロインの謎が判明するものでしたね。
なにぶん主人公が子供のころの記憶が曖昧なので昔のことを
徐々に思い出しながら、色々判明してました。
良い話だったとは思いますが唐突かなと思いました。
ただ、そのおかげでヒロインについては、なぜああいう道徳的にどうなのかな?
の行動をしたのかとか、主人公のことを嫌ってたのかも
わかる作りになっているので、わかることにより
ヒロインに情が移るものだったと思います。この演出は心憎い。

奇跡とかも絡むのだけど奇跡を起こすには対価が
必要ということで、その対価で苦しむヒロインが描かれてました。
それで感動を狙っているのはわかるのですが
露骨なのでそこまでは感動はしませんでした。
それでも起承転結がしっかりした良い話にはなっているので
話としてはスッキリとした作りでした。
うーん、コメディーとかやったり
ここまで日常描写で引っ張ってきたことも
最後に良い話と思うには必要なことばかりだったのは
と思うので無駄ではなかったと思いますし
ちょっとした日常描写の中に最後に良い話だなと思えるように
いかされたりしていたりするエピソードがあったり
ヒロインの名前にも意味があったりするとわかるので
それがあって心に来るものがあり
1クール目は起承転結の上手い作りだと思った。

2クール目に入ってからは急にバトルファンタジーものぽくなって
意味はよくわからなかったな、刀振り回しているヒロインがいて
魔物と戦っているらしいのはわかるのですが
わかる部分が少ないのであまり面白くはありませんでした。
実際は一体誰と戦っているのかもサッパリわからないので・・・
内容自体も間延びしているので、退屈な作りでもありました。
暗い作りなので・・・
バトルシーンは作画がしっかりしているのでその点は問題ないですが
さらに2クール目は唐突に感動を狙った話になるので急かな?と思った。
間延びしているわりにはシナリオの作りは急で雑かなと思う。
雑なんで感動するには苦しかったな、何となくしかわからないので・・・
このヒロインのシナリオは最後までみれば魔物は何者なのかはわかりましたが
「え?」と思いました。それはチョット・・・と思った。
2クール目はこのヒロイン以外のシナリオでも急展開だったな・・・急なんで感情移入しづらかったな

それでずっとシリアスでしたので
シリアスだな・・・と思いながらみてました。
悪い話ではなかった気はしましたが
重い展開の中、急展開もあったりするのでついて行きにくかったな
基本的に唐突に急展開だもんな・・・

さらにこのアニメは原作はゲームなのですが
原作ゲームとは違い各ヒロインのシナリオを無理やりくっ付けた不自然さがあり
とっちらかってたので、どうも感情移入しづらい作りでした。
そのせいでどこでそのヒロインの区切りかもわかりづらいのもキツかったな
この話数でヒロインが代わるのかと気付きにくいので・・・
そしてヒロインの「あゆ」のシナリオの終わり方を考えると
一部のヒロインと主人公の関係は何だったのかな?となる
ストーリーの作りなので・・・
正直構成に問題があるな・・・と思いました。

とはいえヒロインの「あゆ」のシナリオ自体は悪くはなかったので
主人公への思いは伝わってきたし
子供時代のせつない思い出、話もポロリときましたね。
ここも序盤のコメディーがあったからこそ
いい話だなと思える部分があるので、その点は上手く作っているなと思いました。
尺も十分あって話数をかけていたので
結構いい感じに終われていました。いい終わり方じゃないかな・・・
序盤の伏線をいかしていて効果的に使われている場面も多いし
ストーリーは1話から考えられて作られているなと思いました。
けして理由付けがないてわけではないですよね。
他にも主人公が昔のことを忘れているのも
何となくわかる作りにはなっているので、その辺りは悪くなかったと思う。

声優さんについては主人公役の方は基本的には問題ありませんでしたが
大声を出して怒っている時のオーバーな演技はチョット引っかかりました。
そういう演技だったのかもしれませんが気になった。
ヒロインの方は声質は全員合っていたし
演技力も高くて、序盤のコメディー時と後半のシリアス時の演技の違いも
演じ分けられてましたし、とても良かったです。

まとめると序盤はコメディーが面白く、キャラクター描写もしっかりしており
各ヒロインの個性がよく出ていてヒロインの魅力は伝わってきました。
1クール目は起承転結がしっかりした作りでしたし
いい話だったと思うし2006年としては素晴らしい作画演出も
世界観を築き上げていたと思う。
2クール目は急展開が多く暗い作りでわかりにくく
作りも雑だったので悪い話ではないとは思いましたが感情移入するのが
難しかったです。
各ヒロインのシナリオを無理やりくっ付けたような感じも不自然でした。
ただ、ヒロイン「あゆ」のシナリオは尺がありいい話だったと思います。
しかしながら、その終わり方だと他のヒロインはどうなの?
て感じなので・・・2クール目は構成や作りに問題があるなと思う。;

投稿 : 2018/10/23
閲覧 : 288
サンキュー:

5

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